0.5秒後の世界を見ている

他の本と交互に手に取っているので、まだ『脳の意識 機械の意識』を読了できていません。きょう読んだ部分で面白かった箇所は、現実と意識の時間差です。衛星テレビ放送のライブ中継を思い浮かれべばいいのですが、テレビ画面の映像は現実の進行から少し遅れたものです。それと同じで眼に入った現実が脳で意識化つまり映像化されるまでには、0.5秒の遅れがあります。逆にいえば、意識した出来事は実は0.5秒前の出来事なので、常に脳は過去しか見ていないということになります。一方で、未来を見て行動していることもあります。野球の投手が時速160㎞のボールを投げたとしたら、ボールが投手の指から離れた出来事は、実は0.5秒前ということになります。しかし、時速160㎞のボールは0.4秒後には打者のバット近くまで届きます。つまり、ヒットさせるには、未来を見てバットを振らなくてはなりません。過去を見ながら未来も見ている脳の不思議を感じます。