大人は何を示すべきなのか

現在開催中の「水俣病展2017」のホールプログラムにおいて、文化人類学者である上田紀行氏の講演を聴きました。上田氏は、東京工業大学の教授でもあり、若者の価値観の変化を間近に見ている立場にあります。約200人の学生に対して、自分が社員として勤める工場が長年有害物質を排水していると知ったら、どうするかという質問を続けています。その回答と年ごとの変化が以下の通りです。
            2006年  2011年  2012年
名乗って内部告発をする  3人    30人   50人
匿名で情報をリークする  15人   100人   120人
何もしない        180人   70人    30人
さすがに2006年のときは、驚いたそうです。正しいことを言えない不安感が覆う大人たちの姿を若者は見ていて、その若者を責められないと思ったそうです。しかし、この若者を大人である自分が変えてみせる誓ったといいます。大きな変化が出たのは、やはり東日本大震災に伴う東電福島第一原発事故が起きた2011年からでした。上記の回答の「何もしないこと」の愚かさの理解が進んだのかもしれません。
写真は、肥薩おれんじ鉄道の車内広告。