歴史の否定から過ちは繰り返される

『若い読者のための第三のチンパンジー』において考察されるテーマは幅広いのですが、人間が歴史上繰り返し起こしてきたジェノサイド(大量殺りく)もその一つです。ナチスが20世紀に行ったユダヤ人や少数民族に対するそれがすぐに想起されると思いますが、今日それすらも否定する信じがたい人もいます。同書では、抹殺されたタスマニア人の例、アメリカ先住民の例、ソ連時代の粛清、カンボジア、ルワンダなどにも触れています。日本国内においてもアイヌ民族や関東大震災時の朝鮮人に対する蛮行を忘れてはなりません。そして、今日、互いの顔を見ることなく遠隔で大量殺りくが実行されることも可能になっています。日本列島の島々にも朝鮮半島にも多くの人間が暮らしています。どんな理由があれ相手を殲滅するなどと言ってはなりません。ほかの動物では行わないジェノサイドを認めることは、畜生にも劣っていることを示すことにしかなりません。