誰もが係る相続法

大村敦志著『新基本民法8 相続編』(有斐閣、1800円+税、2017年)をようやく読了しました。契約法は商取引がグローバル化するのに伴い、世界標準化が進んでいる領域ですが、相続法は国が違えばかなり異なることを改めて知りました。かつては私有財産を否定する国もありましたし、日本が民法のモデルに求めたフランスにおいては2001年まで配偶者の相続権がなかったそうです。そのフランスもナポレオン1世が民法典を定めるまでは、北部では法定相続、南部では遺言がそれぞれ主流であるという違いがあったそうです。日本でも韓国や台湾を植民地統治した時代に土地の慣習までは変えられなかったそうですから、土地やら家族に対する考えはずいぶんと違うようです。ついでにいえば、日本の相続人の範囲は狭い方になるそうです。民法改正で婚姻期間が長い配偶者の法定相続分を広げる案も上がっているそうです。ですが、婚姻期間の長短だけで配偶者の貢献度を計ることができないのも事実です。いずれにしても、誰もが亡くなった後に遺族は相続法との係わりが出てきます。実務家としてはたえず識見を磨いておかないと依頼者に迷惑をかける分野です。