政治学とは社会の医者である

日本自動販売機工業会の元専務理事である黒崎貴氏による『食品知識ミニブックスシリーズ 自動販売機入門』(日本食糧新聞社、1200円+税、2016年)は、ある業界の発展の歴史をたどる物語としてたいへん面白い著作でした。特に環境問題に対する国際社会からや行政からの要請に対して常に先んじて対応を実施してきたことは、自動販売機に対するイメージを改めさせる力がありました。オゾン層保護のためにフロンに代わる冷却ガスを採用したり、地球温暖化防止のために消費電力量の削減に取り組んだりしてきています。ただ飲料を販売するだけでなく、自動販売機の存在自体が地域にとって欠くことのできない機能を持つステーションになる可能性も秘めています。こうしたことは、自らその情報にあたらないと知り得ないことです。また、これは行政書士の仕事とも関係しますが、行政法がどのような社会環境を反映して改正されていくかを理解する材料にもなりました。
さて、その後は姜尚中著『逆境からの仕事学』(NHK出版新書、740円+税、2016年)を読み始めています。著者は政治学者であり、政治学とは社会の医者であるといいます。もっとも政治学者になったのは、なりゆきなのだそうです。どんな仕事も就いてみないとわからないとも語っていて、まだ最初の方しか読んでいませんが、こちらも好感が持てる著作です。