日別アーカイブ: 2020年5月17日

熊本市の投票用紙不明問題

かねてから関心のあった県知事選挙区における熊本市中央区の投票用紙不明事件の第三者委員会の議事録資料等をゆっくり目を通しました。まず最初の印象として報道で知る限りでは委員会の議論過程がやはり見えないなということでした。次に状況から考えると投票所ではなく開票所における紛失の可能性が高いと思われました。委員会はすでに4回開かれ、最初の2回分の議事録が公開されています。それによって熊本市の投票所や開票所の運営がどうであったのかが明らかになっています。投票用紙の種別でいえば、期日前と不在者投票は自書式であり、投票所も限られており、開票作業も当日投票とは区切ったエリアで行われています。何よりも投票者の数と投票用紙の数が一致しています。問題は、記号式の当日投票の投票用紙です。当日投票所では回収した入場券の数と交付せずに残った投票用紙の数が記録されます。記録上の数字はもちろんですが、紙現物の数もあっており、投票箱に入れられない投票用紙が100枚以上も発生する可能性は、投票所で従事した者ほぼ全員の関与がなければ、まず起こり得ないと考えられます。開票所では、投票箱からテーブル上に投票用紙を出す作業が行われます(開披分類)。投票箱が空になったかどうかは、開票管理者と開票立会人3人が確認して回ります。中央区に関しては、記号式投票用紙の投票箱は36箱ありますが、その確認の模様はたまたま当日視察に来ていた佐世保市の選挙管理委員会のビデオにも記録されています。テーブルに広げられた投票用紙は、概ね100枚以上を輪ゴムで1束にして自動分類機に回します。ここでは有効票をきっちり1束100枚にして点検係へ回されます。以後の管理は1束100枚となります。端数は、最後に出てきます。効力審査係へ回される疑問票と白票にも端数が出ますが、自動分類係との間には仕切りがあります。総合的に考えると、最初に投票箱をテーブルに出したエリアでの紛失の可能性が高いと思われます。開票してすべての投票用紙は自動分類機を通過します。開票開始後1時間半経った時点で、どうも投票総数と比べて投票用紙が100枚以上少ないと分かります。しかし、この時点で開披分類に従事した職員を含めて110人は会場から出ています。おかしいと気づいてから会場内を捜し回ったそうですが、見当たらなかったそうですし、その時間にいた従事者13人のボディーチェックでも出てこなかったとあります。以上のことから早くてもすべての投票用紙が自動分類機を通過するまでは開票所と外部との出入りは禁止とすべきでした。どうしても途中外出をする際は、ボディーチェックを行う必要がありました。この点は、運営が甘かったというべきです。