月別アーカイブ: 2020年4月

9月入学をさわる時期ではない

学校の休校時間が長引いていることから9月入学の導入議論が降ってわいています。現在でも盛んに留学提携の制度がある中でそれに合わせるメリットは感じられません。入試の季節のことをいうなら夏の時期も台風とかで日程変更を余儀なくされるリスクはあります。学習の遅れを埋め合わせる方法も時間もまだ11カ月あります。今その議論が必要だとは全く思えません。軽々しく口にする首長の思慮の無さの方が危ないように思えます。

新型コロナに関する在留諸申請における取扱い

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う諸情勢により、申請受付期間及び申請に係る審査結果の受領(在留カードの交付等)期間の延長について、既に講じられている申請受付期間の延長に加え、申請に係る審査結果の受領(在留カードの交付 等)期間の延長が行われることとなっていますので、お知らせします。詳しくは、下記のURL先及び法務省ホームページをご確認ください。

●申請受付期間及び申請に係る審査結果の受領(在留カードの交付等)期間の延長について
http://www.moj.go.jp/content/001315947.pdf

法務省ホームページ  http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/20200131comment.html

煉獄のなかで

中学生時分に慣れ親しんだ長編作家としては、国内にあっては五味川純平、海外にあってはソルジェニーツィンでした。戦争や収容所の現実と比較にはならないにしても窮屈な中学校生活から距離を置きたい自分にとって非日常の世界を知りたくもあり、日常の鬱屈さとの共通を感じたり、とにかく魅力があったのだろうと思います。昨日からソルジェニーツィンの『煉獄のなかで』を読み返しています。中学生時代とは異なりますが、現在の世界的な隔離生活のなかでの人間の思索と行動を思い浮かべながら読むと、また新しい発見があります。

傍聴と読書のすすめ

藪野裕三著『有権者って誰?』の中で、かつて著者のゼミ生を伴って議会傍聴をしていたことの紹介がありました。これは若い有権者である学生が自分の無知を知るいい機会となったと言います。傍聴を受け入れる議員や行政側にとっても緊張感がみなぎる効果があったと言います。確かに傍聴者自身の知見を高めるには有益です。議員が質問をする際にはそれなりに勉強はしてきていますので、テーマの争点整理や争点に伴う情報を知ることができます。逆に議員の質問内容によっては、議員の無知を知ることもできます。昨年、地元市議会で傍聴したり議事録を読んだりして、お話にならないレベルの質問に接した経験が私にもありました。たとえば、図書館や博物館の機能を理解せずに外形的な判断で、指定管理者制導入を推奨したケース。応募者の居住地で職員採用枠を設けるように提案したケース。前者は図書館を無価値な古本集積場とカフェをセットにした娯楽施設を公共施設にするというバカげた考えでした。後者は、応募者がどこに住んでいるかで採用選考を行う人権侵害・就職差別を助長する浅はかさでした。
今、外出を控えて自宅で過ごす時間が増えています。ぜひ読書を勧めます。昨日は、中学生時代に読んだサルトルとカミュの作品を手に取り読みました。二つの発見がありました。一つは翻訳本である場合、原著者と同時代の訳者による翻訳文が時代背景を的確に伝えるということでした。もう一つは、読み手側の時間の経過です。中学生時代に記憶に残った箇所と現在の年齢で刺さる言葉の箇所との違いです。この読み手側の変化・差異の発見という楽しみもあるのを感じました。さらに、70年代半ば頃の国内における海外現代文学といえば、圧倒的に欧米文学でしかなく、当時はアジア・アフリカの文学に親しむ機会はほとんどなかったことも改めて感じました。中高年が世界を知らないのはもっともなことです。

無知を知る

藪野裕三著『有権者って誰?』は、中高生など若い有権者向けに書かれた本でしたが、55年体制後の有権者の投票行動の変遷を知るにはいいテキストでした。一票の集積が55年体制に大きな変化を与えた政治テーマとして著者は、消費税導入を指摘しています。確かに消費税は、全世代の国民に係るテーマで、現在の新型コロナ対策に匹敵するものです。あと同書で興味深かったのが、大学進学率の向上の一方で、勤労生活からもたらされる社会課題への関心の低下という流れでした。有権者の年齢下限が近年18歳に下がりましたが、今高校を卒業して働く国民の方が少数派です。それと労働組合そのものの組織率が低くなり、組織されていても力がなく、働きながら社会課題を考え政治を語ることがなくなってきています。社会にいながら政治に主体的に参加する環境が失われてきています。本来は学校教育の場で政治参加について学ぶのですが、投票を促す教育はあっても、社会課題について意見を交わす素地がないのではと思います。私が在学していたころはまだしも社会のことを考える教員がいましたが、今は組合活動をする教員と出会う機会がほとんどありません。市民運動を支援するような教員と出会うことはまれです。極端に言えば社会について無知な勤労者が増えているのではないかと思います。まずは自分の無知を知ることから始めたいと思います。自分とは立場が異なる人の存在を知ることを努めたいものです。

有為な改革は歓迎

一人10万円の特別定額給付金に係る家庭内暴力被害者からの請求については、昨日一歩前進し、本人からの請求が可能となりました。ただし、その届出期間が今月24日から30日となっています。給付までのタイムラグはあるわけですから、もう少し期間は延長できないものかと思います。外国人の在留資格延長手続きについてもオンライン申請ができる範囲が少し拡大されました。たとえば勤務先の会社の規模が緩和されたのですが、これもさらに拡大してほしいものです。テレワークを阻害するハンコ文化の問題もそうですが、市民生活共に仕事の進め方は大いに見直すべき点があると思います。

誰もが政治的市民になるテーマ

新型コロナの問題は、国や個人の相違を問わず地球的に全人類に影響するだけに、誰しもが政治的市民にならざるを得ないテーマになっています。それでも立場によって人々の意見は異なります。たとえば、休業しても家賃負担がかかる借り手は家賃の減免を求めたいところでしょうが、その家賃収入をアテに暮らしが成り立つオーナー側からすればそれは呑み込めないところだと思います。授業料や施設充実費に見合う教育研究サービスを得られない学生からすれば学費の減免を求めたいところでしょうが、文教施設側からすればオンライン講義の準備など新たな出費に加えて収入が減れば経営が苦しくなると言いたくなると思います。それぞれに一方を立てれば一方が倒れるやっかいな状況になっています。この調整をどうつけるか、官民それぞれの知恵の出しどころです。

一律給付方法の設計

このたびの国民全員への給付方法について課題があるのが、世帯全員分の給付が世帯代表の一つの口座への振り込みになっている点だと思います。たとえば、別居生活している家庭内暴力被害者であるとか成年被後見人宛の給付は、それぞれ本人か後見人宛でなければ本来救済されるべき人が救われないことになります。ここの調整は、市町村で行うことになるのか、早急に国との調整が必要です。

昨日の風景

昨日は熊本市内に所用があり、JRの普通列車に乗車したり、市電沿線の通りを歩く機会がありました。まず行きの電車ですが、昼間は座席の間隔をずいぶんと空けて座ることができました。夕方は座席が埋まるほどの乗車率はありました。市電沿線の飲食店では休業や時間短縮、あるいは持ち帰りの掲示が目立ちましたが、出歩く人が少なくなった以上、持ち帰りを始めてもさほど売り上げは期待できないのではないかと思いました。急に仕事を変わる時期ではないと思います。何カ月続くか、何年続くか分かりませんが、とにかく感染を広げない過ごし方をするしかありません。

政治を身近に感じるとき

連日新型コロナに関するニュースが多いですが、世界的な非常時であるだけにこれほど政治を身近に感じるときはないのではないかと思います。公共財を減らす政治が続いてきたために、公的救済の速度が遅く対応力が疲弊している印象を受けます。

社会参加の権利

きょうは地元行政区の総会でした。新型コロナ対策の観点からほとんどが委任状出席でしたが、それでも50人弱の住民が実際に出席しました。4年連続で議長を務めさせてもらいました。現在就いている公的職務の中に、主権者教育も入っています。若者はもちろんのことあらゆる年代の住民に、社会参加の権利があります。その権利を蔑ろにする出来事には厳しい監視が必要です。市外のことですが先の知事選における100票を超える投票用紙の所在不明事件には大いに関心があります。前にも投稿で触れましたが、不在者投票の取り扱いについてが怪しいと思います。当日投票所に何票届けられたのか、各投票管理者・立会人は投票箱に何票入れたのか、まずは確かめてみるべきだと思います。あと国政に関しては検察官の定年延長問題と前法相の公選法違反疑惑。いずれも国民の代表の資質にかかわる問題です。「選良」たちがどういう行動をとるのか、見逃してはなりません。表紙写真の新書を読んでみる予定です。

それぞれの働き方

岩波ブックレットの『新版 ひきこもりのライフプラン』を読み終えました。同書は2部構成になっていて、前半は精神保健学者の斎藤環氏による「ひきこもり」についての解説と「ひきこおり家族」を抱える家庭への支援あり方を示すものでした。後半は、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏による親亡き後のひきこもりの子のサバイバルプランを具体的に指南する内容になっています。
前半の部分では、ひきこもり症状について無理解なまま第三者が介入すると、たいへん危険だという感想を持ちました。無理解な第三者がたとえ支援の気持ちで介入すると、本人が負い目に感じている部分を逆なでする説教的な対応になりがちで、かえって助けにならないようです。まずは、家族が専門家と相談する関係が築けないと支援にはならないと感じました。
後半の部分は、ひきこもりの子が働かなくとも生活できる知恵の伝授なのですが、読んでて思ったのは、別にひきこもりの子を抱えていない家庭でも知っていて無駄はないなということでした。というのも、子が突然傷病で闘病生活や障害を負うことはありえます。現役世代であってもいつ休失業する状態に追い込まれることがあるかもしれません。大部分の人は年金生活、つまり働かずに暮らす生活を送ることを考えているわけですから、その状態が早く来ることはありえると考えておく方がいいと思います。
私が最初勤めた会社の経営者は、50歳になったら働かなくてもいいようにしなければならないと言ってました。私も当時は働くのは好きではありませんでしたから、早く働かずに済むようになるのならその方がいいと思い、経営者の言葉には賛成でした。
なぜ働くかといえば、楽したいから。それだったら、最初から働かないというのもありなのですが、楽をするには資産がないといけませんから、それを築くために働くというのが、私の働く理由でした。必要以上に働かないのが、自然だと考えます。
ただ世の中は働くことが美徳だし、70歳まで働けというのが政府の意思です。それに乗るのもいいですし、乗らないのもいいと思います。

首長の資質比較

新型コロナ報道のおかげで毎日さまざまな首長の発言映像を視聴できます。知事クラスでも地元以外の首長の顔も氏名もましてや資質を知る機会は限られていましたが、発言の内容やスタイルを実際に見聞すると、日頃この人の頭の中はこうなんだというのが如実に表れます。こうした比較考量の機会が得られた点は、数少ないメリットだと思います。昨今はプロスポーツのヒーローインタビューでよく目にするスポンサーボードに似たメッセージボードを背に登場するパターンが多いですが、歴代首長の肖像額縁を背に話している自治体もあって面白いです。確かに学校長室や田舎の役所・公民館ではこの手の額縁がかかっている例が多いですが、趣味が悪いなあと思っていつも眺めます。

知の力

まだ読んだことはありませんでしたが、『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』、『21Lessons』など、人類史の視点から世界的ベストセラー書を出しているイスラエルのユヴェル・ノア・ハラリ氏のインタビューが昨日の朝日新聞に載っていて、なかなかいいことを言ってました。
「情報を得て自発的に行動できる人間は、警察の取り締まりを受けて動く無知な人間に比べて危機にうまく対処できます」ということからは、独裁よりも民主主義と市民の視点で政府を監視するメディアの力に信頼を置いていることがうかがえました。ウイルス感染の危機が去るまで数年は覚悟しないといけないと思いますが、それを達成するのは政治リーダーだけでなく国民の知の力がどれだけ備わっているかにかかっていると思います。
「無知によってばかげた陰謀論を信じるようになる」ことこそ危険なことはなく、憎しみではなく国際的な連帯が必要とも言っています。ここでも耳を傾けるべきなのは科学的な専門家の声です。科学には医学だけではなく、歴史といった人文科学の知も含まれます。ウソを見破る知の知からをこういう環境だからこそ全世代が培うべきだと思います。

ひきこもりのライフプラン

このところの外出自粛の呼びかけに応じて民生委員活動や人権擁護委員活動がほとんど停止状態です。社会にはもともと働くことができない人がいます。特に現役世代のひきこもりについては、就労したら解決という見方がされますが、すべての人が働けるかというとそうではありませんし、現下の状況だと受入先の事業自体の存続が危ぶまれるほどです。就労以外の生き方の指南・支援があってもよさそうなものです。今月出た写真の小冊子を読んでみます。

ひとりウェブミーティング

所属団体主催のZOOM使い方セミナーに参加してみました。ウェブ会議システムについては、もはや死語となったブロードバンド草創期ころに仕事で取り扱っていましたので、何の違和感もなく試せました。ホワイトボード機能や共有ファイル機能、チャット機能、録画機能など当時からありました。何が変わったかといえば、スマホでも使えることと、無料で使えることぐらいです。確かにセキュリティを問題視する向きはありますが、使いようにもよります。会議のみならず授業・研修にはもってこいだと思います。使い方を解説する無料動画もあります。それらを視聴してから自宅のWI-FI環境下でパソコンとスマホを結び、ひとりウェブミーティングをしてみると、だれでもすぐ使えるようになると思います。

エコアクションの視点

今の外出自粛による経済不況への影響が懸念されていますが、航空機や自動車など化石燃料の使用量は確実に減っていると思われ、人類の持続可能な環境保護の視点からは少なからず地球温暖化の進行速度を遅らせることに寄与していると思います。世界的に壮大な社会実験を図らずも行っている結果となり、実際のところどのような効果が出ているかのデータも知りたいところです。

どっちみち妖怪

八代市の博物館では、しばしば松井文庫所蔵の「百鬼夜行図」が展示されており、過去の展示会で見に行ったことがあります。この絵巻は、江戸時代の1832年、細川家の御用絵師矢野派の絵師によって描かれたもので、58種の妖怪たちが登場しています。熊本ゆかりの″アマビエ″は描かれていませんが、「ぬらりひょん」や「いそがし」、「どふもこふも」など、名称からしてユニークで現代にもいそうな妖怪が載っていて楽しい絵巻です。地方議会における公務員の虎の巻本には、答弁の際の有用な言葉として、「いずれにいたしましても」という枕詞があるそうですが、これは根拠理由の説明をぼかして結論だけ述べる際に使えるそうです。いわんとすることは、「どっちみち」という意味で、説明責任を果たしたくない議場内に巣くう妖怪たちが好むとされています。八代の妖怪絵巻はもともと松井の殿様が描かせたものでしたが、妖怪図鑑に名を借りた人間観察図鑑だったのではと思えます。

社会生活に必要不可欠な仕事

緊急事態宣言で休業要請された業種は、社会生活に必要不可欠な仕事とされています。不要不急の外出自粛が要請されていることからも、休業業種の仕事があたかも社会生活にとって不要であるとか、不要な商品サービスを提供しているかのように聞こえて、自尊心を損なっているかのようです。ここは、生命の保護という最高の人権の擁護が問題になっているのであって、それぞれの業種や仕事の価値が問われているのではないということを感じてほしいと思います。さまざまな専門職の相談業務も是が非でも行わなければならないものでもないし、感染症対策を十分施すという条件下で続ける意味もあると思います。