月別アーカイブ: 2017年8月

農地パトロール

農業委員会の業務として「利用状況調査」「荒廃農地調査」いわゆる「農地パトロール」があります。私の担当地域でも近く写真の帽子と腕章を着用して行います。これは文字通り地域内に耕作放棄地がないかの掘り起こしと、以前確認された荒廃農地が再生利用されているかの確認の調査となります。今後、遊休農地でありながら農地バンクに貸し出しを行わないなど再生利用に消極的であるならば、固定資産税の課税額が上がることもありえます。逆に再生に取り組む農業者・団体があれば、補助金が交付されます。あるいは、大規模な農地集積・集約にあたる農地整備に対しては、これも手厚い補助が受けられます。いずれにしても農業を行わない農地所有者・課税義務者に、農地バンクの活用をお勧めます。

統合と棄民の歴史

今読み進めている遠藤正敬著『戸籍と無戸籍』(人文書院、4200円+税、2017年)は、事前予想以上にたいへん面白い著作です。権力が領民を保護する一方、税や兵力確保のためには歴史的にも領民を登録管理する台帳が必要でした。これが日本では戸籍となります。戸籍を持たない者は犯罪者予備軍として扱われた歴史もある一方で、権力の怠慢やエゴで戸籍を奪った過去もあります。今でこそ戸籍を持つことが国民の証となっていますが、元植民地出身者については、国民でありながら戸籍は別扱いとしていたがために、戦後は日本人として保護されることはなくなりました。その他、海外在住の日本人の戸籍をめぐる扱いなど興味深い研究が記録されています。考察対象は、7世紀ごろから現代まで、近隣アジアの制度も含めてあり、仕事として戸籍に接する立場の者としては、初めて知ることばかりでした。戦前は民生委員の前身の方面委員が戸籍整理事業に携わっていたことも知り、その点も係わりを感じました。また、地籍というか不動産登記も国民の任意性によるところがありますが、戸籍が徴兵と絡んでいた時代もあり、国民の側から届出にさまざまな対応があった実例にたくましさも覚えました。

造り物では困る

昨日投票が行われた県南の市を通りがかったところ、現職首長に挑んだ新人候補の選挙事務所の看板を見かけました。すると、「○○市民ファースト」と大書されたグリーン色調のスローガンがありました。容易に判断されることですが、先だっての都議選のパクリというか、質の悪い便乗です。スローガン一つ満足に作れない付け焼刃感がありありでした。こうした造り物感覚で行政に携わろうというのは有権者をなめている印象を受けました。

政治家は信条を語れ

業界の政連の催しで現役国会議員の国政報告会に参加する機会がありました。昨日の投稿でも触れた税制と社会保障の問題や国際関係など、首相とは異なる信条を聴けて面白い時間でした。もっと語ってもらうことが、他の立候補者との比較のためにもいいことだと思います。

子どもの将来を考えた税制と社会保障を

朝から飛翔体が発射されたニュースがありましたが、結局のところ撃たれたらすぐには分からない、迎撃や避難対応は難しいということが分かっただけという思いを強くしました。撃つ側に付き合って高価な迎撃武器を取り揃えても、わざわざ的を提供することにしかならないという気がします。そんなことにカネを捨てるよりも国の将来を見据えたら子どもの福祉と教育を充実させることが先決です。こうした議論について国内で出てきているのは「子ども保険」と「All for All」ぐらいが目立つ程度です。どちらがいいのか、他にいい政策はないのか、飛翔体に飛びつくのもいいですが、こちらを真剣に考えないと自滅の方が早くて現実的な感じがしないでもありません。

帰化と憲法遵守条件

地蔵まつりは、23日の花火を自宅からちょっと見て満足し、結局街中の「造り物」は見に行きませんでした。もともと17年前まで熊本市内の会社勤めをしていたころは、まったくの無縁の出来事でわざわざ見物することはありませんでしたので、祭りというものに淡泊なのかもしれません。
それで、昨日は業界の研修で、届出による国籍取得と帰化申請について学びました。出生のときから日本国籍を有している人は意識することがないかもしれませんが、帰化の許可を得ようと申請するとなると、いくつかの条件を備えなければなりません。その一つに憲法遵守条件があります。詳しくは国籍法で定められていますが、日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
それでいうと、日本国籍をもつ者であって、核武装を主張する者あたりはどうもバツが悪いんじゃないかと思います。核兵器をもつということは使用する意思を示しますから、確実にその場所は攻撃目標となります。あるいはロクに原発も管理できないことがあるわけですから、自国内で爆発させる危険もあります。結果的に日本の政府を破壊することになると思わざるをえません。

更新プログラムと業務

延ばしに延ばしていたWindows 10 のVersionをようやく 1703にしました。インストールにやはり3時間はかかりました。業務ソフトの不具合が心配されましたが、簡単にテストしてみると正常に動作して一安心でした。それにしても、その間にPCを使った業務はできないわけですから、その損失はかなりのものです。これはこれで、今後の業界内のサポートに役立てていきたいと思います。

地蔵まつり

本日から2日間、地元市中心部で地蔵まつりが開かれます。昨年よりも一層通りの更地化が進んでいますが、「造り物」の出展数が回復することを期待しています。面白い作品があれば写真に収めたいと思います。写真は昨年のもの。

高校生の演説を問題視する国を知りたい

スイスのジュネーブで開かれている軍縮会議で、広島・長崎など全国から選ばれた高校生代表が、3年前から毎年行ってきた核兵器の廃絶を訴えるスピーチを、今年の会議ではできないことになっています。この理由について、日本の軍縮大使がNHKのインタビューに答えて、高校生のスピーチを問題視する国があったことを挙げています。さらに、「私どもとしてはこれまでのように実現したいと考えていたが、一部の国から異議があった以上は、強行するわけにはいかなくなった」と説明しています。それなら、その問題視している国はどこなのか、なぜ日本の軍縮大使は、演説実現に動かなかったのかを知りたいと思います。と、その問いと答えはNHKの報道になかったので、分からないのですが、これでは軍縮大使ではなくして軍拡大使、これが核兵器禁止を求める国民の代表とは言えないと思います。まったくもって腹立たしい限りです。問題視しているのは、情けないことに今の日本政府そのものではないのでしょうか。不名誉で恥さらしの政府代表を送り込んだものです。

スポーツの高齢化と国際化

この週末は、熊本県のウエイトリティング選手が出場する大会が3つ重なりました。まず、県協会の財政にもっとも影響する国体九州ブロック大会は7位と低迷して追加代表枠の獲得はなりませんでした。練習量豊富な大学生選手がおらず、日頃仕事優先の社会人が出場するのですから、予想はされたことです。18年前の熊本国体の資産はなくなってきたようです。一方、出場選手の中にある納豆製造会社の社員2名がありました。ここの女性社長が自らもウエイトトレーニングをたしなむため、理解があり、先々選手の勤務先として有望視しています。国体の少年代表選手を決める選考会については、1名全国優勝を狙える素材がいますが、他は全国上位と開きがあります。もう一つ、新潟で行われた全日本マスターズには中高年選手が多数出場しました。ある意味、選手層が厚く、好成績であれば、世界大会に出場できる可能性もあります。この大会は審判員も選手が務めることになっていて、競技ももちろんですが、参加者同士の交流が楽しみになっているようです。五輪がそうであるように、政治や思想信条とは別にいろんな人間同士が出会うおもしろさこそがスポーツの効果なのではと思います。

何を恐れているのか

スイスのジュネーブ軍縮会議で高校生平和大使による演説が今年は見送られる見通しという報道がありました。政府が反対している核兵器禁止条約を平和大使が「推進すべきだ」と主張してしまうことを、外務省側が恐れたのではないかという見方が出でいます。高校生らは政府の代弁者としてジュネーブに赴いたのではありません。高校生に恐れをなす政府代表部に軍縮を進める仕事が果たしてできるのでしょうか。

まずは現場と人を見てみる

いろんな老人ホームを見る機会があります。利用者目線に立って契約に値する施設かどうか否応なく判断させられます。先月、ある施設で管理者から聴いたところによると、敷金返還の理由が現在の国土交通省のガイドラインにも、判例にも反したもので驚きました。たとえば経年劣化で変色した壁クロスの張替え費用も退去者からの敷金から請求するというのです。この扱いは改正民法でも明確に禁止されることになりましたから、施行時点では違法になります。このように約款ひとつでもその施設の程度が知れるというものです。

血管とストレス

きのう、生活習慣病予防の対策の食事や運動療法について投稿したところですが、砂糖や塩が、野菜がと、気になって仕方がありません。要は血管を健康にするのが大事なので、この時期は水分補給と休養が重要なのではと、考え直しました。あまりストレスがかかると、それが元で血管に悪い影響を与えたら何にもならない気がしました。話は飛びますが、ミサイルのエンジンをロシアから買ったり、危機を煽って米国製の地上配備型の迎撃ミサイルを日本に買わせようとしたり、なんだかんだで暴利を得ているのは、大量の核兵器保有国なんではというのに似て、目的と結果がなんかおかしい例はあります。

生活習慣病の予防対策

地元市の健康づくり推進委員の研修会のなかで、生活習慣病の予防対策について専門医から説明されたことが、たいへん役に立ちそうに思いました。いくつかポイントを示してみます。
生活習慣病とは、偏った食事や運動不足などが原因で発症する症状で、動脈硬化の進行が見られます。その治療としては、食事療法と運動療法が有効です。なかでも食事療法は治療の7~8割を占めます。
■食事療法
・自分の適正体重(標準体重)を10kg以上上回らないこと。標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22 摂取カロリー=標準体重×30kcal
・カロリーの半分は炭水化物(ごはん・パン)で取りましょう。少ないと空腹になり、間食が増えます。おかずが多いと塩分や脂質・たんぱく質(肉・魚・豆)が増え、血糖値を下げる力が落ちてしまいます。ラーメンも月1回程度に。
・栄養ドリンクやヤクルトは糖分が多いのでたまにしか取らないようにしたが良いそうです。
・漬物や醤油・味噌に多い塩分の摂取量に注意しましょう。1日あたり6~7gが限度です。3食とも外食だと危険です。
・野菜はビタミンやミネラル、繊維質が多く、たくさん取ったがいいですが、ドレッシングは塩分や脂質が多いので、注意しましょう。
■運動療法
・1日5000歩以上、30分程度と歩くと、糖・脂質が消費され、筋肉が増え基礎代謝が上がります。体重が減り、血液の循環が良くなり、疲れにくい体になります。ストレスも解消されます。

メッセージの出し方と受け方

対外関係での政府と国民のメッセージの出し方と受け方は気を付ける必要があります。特に近隣アジアの関係においては一層留意しなければなりません。たとえば、天皇でさえ参拝しない靖国への向き合い方を政府の一員はよくよく考えなくてはなりません。しかし、その側近らが余計な発言をしてその行動が意味をなさないことになるのは、ほんとうに国益を考えない頭の悪さだと思います。一方、近隣アジアにおいて過去の日本の罪状を掘り起こす動きについては、これまた下手な論評をしないことが、肝要だと思います。一民間事業者がバス内に人形を置いたことにとやかく日本の政府や国民が言うべきでないと思います。

負動産に地域でどう向き合うか

吉原祥子著『人口減少時代の土地問題』(中公新書、760円+税、2017年)を読んでいますが、土地問題ほど、制度と所有の実態がかけ離れているものはないのが、よく理解できます。推計では所有者不明化している土地の面積は九州のそれに値するようです。所有者情報を管理することのコストがあまりにも高いために資産価値の低い土地や相続人が不明な土地は放置されています。行政も実態を分かっていながらそれを解決する能力、つまり人材に欠けています。最終的に迷惑を被るのは地域の住民です。抜本的な制度改革が必要でしょうが、緊急なところから何ができるのか考えていく価値はあると思います。

レイシズムと武器が戦争ビジネスの源

昨夜放送のNHK「731部隊の真実」は、当事者たちの証言や書証が豊富で、圧倒的な説得力をもつ良質な番組だったと思います。人を救う思いで医学の道に進んだ学者が、いつのまにか研究資金の獲得に血道を上げ、生体実験をなんとも思わなくなっている悪魔性を恐ろしく感じました。その背景には「匪賊」は殺してもいい存在として医学者のみならず当時の国民が刷り込まされた歴史があります。今日にも残るレイシズムは、相手を殺すことをいとわないからこそ続けられる武器(731の場合は細菌兵器)開発につながり、戦争ビジネスを成立させる気がします。その意味で言えば、武器(技術を含む)輸出に熱心な国の顔ぶれは、互いに威嚇し合っているもの同士ということもあります。

人間が見えているか

核兵器禁止条約に消極的な姿勢であるとか、一見関係ないような朝鮮学校無償化除外の動きについて思うのは、人間の生命であるとか人権の重みへの無理解です。馬鹿げた核抑止への信頼よりも、使用できる核兵器が存在することによる大量殺りくの結果を想像してみるべきです。殺されることよりも殺さない側に立つことの人間としての尊厳を保ちたいと思います。どこの国民であれ、命の重みに変わりはありません。もう一つの朝鮮学校の生徒の人権でいえば、彼らがあたかも北朝鮮国民であるかのように誘導するのはまったくの間違いです。1947年5月2日、明治憲法下最後の勅令として外国人登録令が施行され、当時、植民地朝鮮の出身者は日本国籍を持ちながらも外国人としてみなされることになりました。外国人登録上、国籍等の欄に出身地である「朝鮮」という表記をすべての朝鮮出身者に適用されました。これについては、当人に選択権はありませんでした。当時の貧しい日本政府としては口減らしをしたいということだったのでしょう。その1947年当時に朝鮮半島には韓国政府も北朝鮮政府もありません。1966年の日韓条約批准をへて、1960年代後半から外国人登録の表示を「朝鮮」から「韓国」に切り替える人が増えましたが、「朝鮮」籍とは、単に出身植民地をあらわし、その後、「韓国」籍に変えなかったもので、「朝鮮」籍イコール「北朝鮮」籍でありません。したがって、歴史的経緯から判断すれば、旧植民地出身者およびその子孫は、日本国籍を有する人と同等に処遇する必要があります。確かに世界にはおかしなリーダーがいますが、その国民を冷静に人間として見れば、さまざまな政策判断も異なってくるのではないかと思います。

「負動産」と言われる時代

これから読む本は、吉原祥子著『人口減少時代の土地問題』(中公新書、760円+税、2017年)。サブタイトルに、「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ、とあります。昨今は仮に相続人がはっきりしていても、資産価値がなく、相続が危ぶまれる「負動産」が増えているようです。年間の管理費や固定資産税を考えると、持っているだけで出費となるため、業者にお金を払って買い取ってもらうケースもあるといいます。不動産が安く流通することで、有効活用されること自体は望ましいといえますが、どういう問題があるのか考えてみたいと思います。