カテゴリー別アーカイブ: 遺言相続

終活サポート事業

9月5日の朝日新聞生活面で横須賀市が2年前から始めた「エンディングプラン・サポート事業」について紹介していました。この事業についてはNHKの「クローズアップ現在プラス」においても取り上げられたことがあったので、知っていましたが、改めてその必要性を覚えます。この事業を利用すると、身寄りのない住民が亡くなった後も市と葬儀社が連携して葬儀・納骨まで行ってくれます。利用者の負担は20万円以内で、事前に契約を結び預けておく形となります。一般に引き取り手がいない場合、自治体は宗教行為ができないため、供養は一切されませんが、葬儀社が入れることによって生前の本人の希望も反映されます。一種の死後委任事務契約と言えます。写真は投稿内容と関係ありません。

負動産に地域でどう向き合うか

吉原祥子著『人口減少時代の土地問題』(中公新書、760円+税、2017年)を読んでいますが、土地問題ほど、制度と所有の実態がかけ離れているものはないのが、よく理解できます。推計では所有者不明化している土地の面積は九州のそれに値するようです。所有者情報を管理することのコストがあまりにも高いために資産価値の低い土地や相続人が不明な土地は放置されています。行政も実態を分かっていながらそれを解決する能力、つまり人材に欠けています。最終的に迷惑を被るのは地域の住民です。抜本的な制度改革が必要でしょうが、緊急なところから何ができるのか考えていく価値はあると思います。

「負動産」と言われる時代

これから読む本は、吉原祥子著『人口減少時代の土地問題』(中公新書、760円+税、2017年)。サブタイトルに、「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ、とあります。昨今は仮に相続人がはっきりしていても、資産価値がなく、相続が危ぶまれる「負動産」が増えているようです。年間の管理費や固定資産税を考えると、持っているだけで出費となるため、業者にお金を払って買い取ってもらうケースもあるといいます。不動産が安く流通することで、有効活用されること自体は望ましいといえますが、どういう問題があるのか考えてみたいと思います。

エンディングサポート事業

今読んでいる小谷みどり著『<ひとり死>時代のお葬式とお墓』(岩波新書、780円+税、2017年)で、横須賀市の低所得の無縁住民向けのエンディングサポート事業について詳しく紹介していました。この事業については以前NHKの「クローズアップ現代プラス」においても取り上げられていたので、関心があったのですが、本人にとっても、地域住民・自治体にとってもいい取り組みだと思います。家族・親族に後を託せる人がいない人にとって葬送はどうするのか、遺骨はどう扱ってもらいたいのかは、重要なことだと思います。それを自治体が仲介する形であらかじめ費用も含めて事前に葬祭会社と契約を行っておくこととなっています。ついでに言えば、高齢者単身世帯の1割超を占める生活保護世帯の死後も葬祭扶助制度はありますが、地域住民や自治体が本人の死後に右往左往しないで済むように生活保護受給者向けにもこうした備えができると安心だと思います。

死後を誰に託せるか

月末の昨日、切手を貼り忘れた封筒を郵便ポストに投函する間違いをしてしまいました。即座に気付いてポストに記載してある連絡先に電話したところ、集荷する郵便局で取りおいてくれるとのこと。夜、その郵便局から電話があり、切手を届けて事なきを得ました。郵便物の中身が請求書だっただけに信用やマナーを貶めない出来事でした。さて、そういううっかり者の死後事務をどうするのか。自分の葬式や墓はどうしてほしいのか。小谷みどり著の『<ひとり死>時代のお葬式とお墓』(岩波新書、780円+税、2017年)は、語弊がありますがたいへん面白い本です。一例を上げると、火葬場の予約が入れやすい時間帯は東京都の場合、9時半開始のコースらしいです。セレモニーとセットしにくいから空いているそうですが、人気の時間帯だと数日待たされることがあるので厄介です。ここ20年の平均寿命の伸びもすさまじいものです。20年前までは男性で3分の2以上は80歳手前で亡くなっていたのが、いまや半数以上が存命です。長くなった高齢期の生活をどう工面するかに奔走させられるのですから、それはそれでたいへんな世の中になってきました。

行政書士会の広告掲載のお知らせ

けさの熊本日日新聞朝刊2面の記事下に熊本県行政書士会の5段広告が掲載されていましたのでお知らせします。広告ではグループ補助金の申請手続きについて周知されていますが、その他にも行政書士が取り扱える分野は多岐にわたります。個々の会員の専門分野も異なりますので、ご不明の点は行政書士会へお問い合わせください。

戸籍について考える

今年5月に人文書院から出ている、遠藤正敬著の『戸籍と無戸籍「日本人」の輪郭』は、仕事がら興味が湧く本です。ですが、その値段の高さ(4200円+税)もあって手を出すのはためらっています。ちょうどけさの地元紙の読書欄に書評が載っていました。それによると、戸籍を通じた国家による管理に側面を当てた研究のようです。実際在日外国人については住民票はありますが、戸籍はありません。その住民票に続柄を記載してもらえれば、世帯内の構成はわかります。載せられている国民の立場からすると、戸籍のお世話になるのは、現状相続と家族史探索(家系図含む)の機会しかありません。もしも戸籍制度をなくすのなら、この相続と家族史探索の手がかり情報をどのような形で代替させるのかが議論となります。著者がそのあたりの考察に踏み込んでいれば読んでみたいと思います。

無料相談員業務

本日の9~15時まで上天草市にある大矢野郵便局内で熊本県行政書士会による無料相談員として対応します。今回で4回目になります。ぜひご活用いただきたいと思います。写真は投稿内容と関係ありません。

所有者不明=ボウフラの土地問題

法務省がこのたび公表したサンプル調査によると、「最後の登記から50年以上経過し、所有者が不明になっている可能性がある土地の割合は22.4%にのぼった」(朝日新聞2017年6月7日)といいます。そのため、相続登記がされないまま「塩漬け」状態になっている土地が多く、道路や公園といった公的な利用の妨げになっていますし、同様に農地の場合であれば耕作できずに荒れる一方となります。
そこで、国土交通省ではいわゆる「骨太の方針」に盛り込み、来年の通常国会への関連法案提出に向けた検討を進めているようですし(朝日新聞2017年6月1日)、農林水産省においても、持ち主がはっきりしない農地を、意欲のある生産者に貸し出しやすくする農地法改正案などを来年の通常国会に提出することを目指している(共同通信2017年6月6日)と伝えられています。
もともと土地は地球住民の共有物という考えに立てば、相続人が不明の土地をほったらかしにされても周囲の住民が迷惑します。自治体へ権利を移し、適切に管理できる私人に移譲するのは賢明な活用法だと思います。
作家・司馬遼太郎は、作品『草原の記』の登場人物にこう言わしめています。「なぜあなたは財産をたくわえているのです。人間はよく生き、よく死なねばならぬ。それだけが肝要で、他は何の価値もない」。学商あるいは拝金宗主義者として批判されることのあった福澤諭吉でさえ、『福翁百話』のなかで「宇宙の間に我地球の存在するは、大海に浮べる芥子の一粒と云うも中々おろかなり。吾々の名づけて人間と称する動物は、この芥子粒の上に生れ又死するものにして、生れてその生くる所以を知らず、死してその死する所以を知らず、去て往く所を知らず、五、六尺の身体僅(わずか)に百年の寿命も得難し、塵(ちり)の如く埃(ほこり)の如く、溜水に浮沈する孑孑(ぼうふら)の如し。」と語っています。ボウフラの土地を未来永劫残しておいて意味がないことは明らかです。ちょっと遅きしに失した政策転換の気がします。
写真は記事とは関係ありません。月曜夜のスタジアム風景です。

無縁社会での終活問題

昨夜放送のNHK「クローズアップ現代+」のテーマは、「相次ぐ“墓トラブル” ~死の準備の落とし穴~」。自分が死んだ後のために、生前に墓や葬儀を準備しておく”終活”がブームになる中、「墓をあらかじめ用意しても、入れない」という“墓トラブル”が相次いでいるということでした。墓を販売する会社が倒産し、お金を支払ったのに墓が建たないケースや生前に墓を準備しておいても、孤立した高齢者が多く、墓の存在を本人以外が知らないため、結局は無縁墓地に葬られてしまうケースもあるそうです。こうしたなか、自治体自ら終活サービスに乗り出し、市民が生前に希望していた墓に入れるまで見届けるところも出てきているということで、横須賀市の事例が紹介されていました。どうすれば“墓トラブル”から身を守れるのか、本人だけでなく自治体や民生委員も考えていく必要を覚えます。

誰もが係る相続法

大村敦志著『新基本民法8 相続編』(有斐閣、1800円+税、2017年)をようやく読了しました。契約法は商取引がグローバル化するのに伴い、世界標準化が進んでいる領域ですが、相続法は国が違えばかなり異なることを改めて知りました。かつては私有財産を否定する国もありましたし、日本が民法のモデルに求めたフランスにおいては2001年まで配偶者の相続権がなかったそうです。そのフランスもナポレオン1世が民法典を定めるまでは、北部では法定相続、南部では遺言がそれぞれ主流であるという違いがあったそうです。日本でも韓国や台湾を植民地統治した時代に土地の慣習までは変えられなかったそうですから、土地やら家族に対する考えはずいぶんと違うようです。ついでにいえば、日本の相続人の範囲は狭い方になるそうです。民法改正で婚姻期間が長い配偶者の法定相続分を広げる案も上がっているそうです。ですが、婚姻期間の長短だけで配偶者の貢献度を計ることができないのも事実です。いずれにしても、誰もが亡くなった後に遺族は相続法との係わりが出てきます。実務家としてはたえず識見を磨いておかないと依頼者に迷惑をかける分野です。

『新基本民法8 相続編』

今読み進めているのは、大村敦志著『新基本民法8 相続編』(有斐閣、1800円+税、2017年)です。法律の実務に携わる人は日頃、すでに定められている法律をいかに運用するかに関心が高いことと思います。しかし、こうして基本書を読むと、それらの条文がどのような背景があって成立したのかという立法の考え方を知ることができます。何も考えずに与えられた道具を当然と捉えるのではなく、ほんとうにこれでいいのか一度考え直してみる、そんな行為に私はやはり関心が高い気がします。

いきいきサロン講話

地元の「いきいきサロン」の講話講師として呼ばれて、遺言や埋葬に係るよもやま話をさせてもらいました。遺言書を争いのない遺産分割の視点から書くというよりは、家族へ遺す手紙として書いてみることをお勧めしました。お墓や埋葬に係る問題も最近のトレンドやニュースも交えながら楽しくお話させていただきました。写真は、昨日おじゃました介護施設前の竹林。大きなタケノコが穫れていました。

法定相続情報証明制度について

2017年5⽉29⽇(⽉)から、全国の登記所(法務局)において、各種相続⼿続に利⽤ することができる「法定相続情報証明制度」が始まります。この制度を利⽤することで、各種相続⼿続で⼾籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります。
制度の概要・・・相続⼈が登記所に対し、以下の書類をはじめとする必要書類を提出
1. 被相続⼈が⽣まれてから亡くなるまでの⼾籍関係の書類等
2. 上記1.の記載に基づく法定相続情報⼀覧図(被相続⼈の⽒名、最後の住所、⽣年⽉⽇及び死亡年⽉⽇並びに相続⼈の⽒名、住所、⽣年⽉⽇及び続柄の情報) 
登記官が上記の内容を確認し、認証⽂付きの法定相続情報⼀覧図の写しを 交付
申出について・・・代理⼈となることができるのは、法定代理⼈のほか、①⺠法上の親族、②資格者代理⼈(弁護⼠、司法書⼠、⼟地家屋調査⼠、税理⼠、社会保険労務⼠、弁理⼠、海 事代理⼠及び⾏政書⼠に限る。)

大分に初敗戦

J2第5節は昨季J3を戦ってきた大分とのホームゲームでした。これまで負けたことの相手でしたが、ついに0-1で敗れてしまいました。とにかく大分からのサポーターが多く、入場者は10,056人を数えました。それだけ大分の後押しが強かったことを認めないわけにはいきません。行きの車中では、今度依頼を受けた講話テーマの流れを考えていました。その中で面白い表現を考えついたのでそれだけが収穫です。

土地活用の実現手法を考える

ある土地の所有者の相続人の生死も居所も分からない、それを確認するにも相当の期間と費用がかかりそう。さて、どうするか。面倒な事例においていかに依頼者の権益の確保するか、いろいろ勉強すると、方策のヒントが見えてきます。資格に安住せず、考え動いてみることで道が開けてくる思いを最近は強くしています。

いろんなヒントが満載

昨日から読み始めた『所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン』ですが、「不在者財産管理制度」と「相続財産管理制度」の違いがよく理解できました。加えて地方自治体と密接な「土地収用法に基づく不明裁決制度」や「認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例」、「農地中間管理機構による利用権設定」などは、むしろ住民の立場から活用できる手法として役に立ちました。というのも、自治体職員というのは短期間で部署異動するため、なかなか通りいっぺんで処理できない案件を鮮やかに切り抜ける制度について熟知していない気がします。これでは住民の悩みが閉じ込められてしまいます。職員の上を行く知識を活用して住民の悩み解決に動きたいと思います。

所有者の所在が分からない土地の扱い

これから読む本は、所有者の所在の把握が難しい土地への対応方策に関する検討会著の『所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン』(日本加除出版、1800円+税、2016年)という著者名と著書名がやたら長い一冊です。最近業務でもこのケースによく当たります。

専門家責任

このところ当職へ持ち込まれる案件の背景を伺ってみると、問題の発端となった時期に絡んだ専門家がいいかげんな処理をしていたものによくあたります。だからこそこちらの仕事になるのですが、専門家としてかかわる以上、案件については責任をもつ覚悟を強くしています。

民事信託の研修受講

2月9日、民事信託の研修受講の機会がありました。受託者に信託財産の管理処分権限はあっても、委託者が認知症になってしまった場合、信託財産に抵当権設定して資金調達が可能かというと、議論が分かれるところというのが理解できて有意義でした。写真は会場から望む阿蘇方面。冠雪しているのが分かります。