政治」カテゴリーアーカイブ

躺平族という希望

次に読む本は、表紙写真の『米中対立』。米中関係を踏まえて日本の針路を考えるときに、米国をリーダーとする陣営に与する議論が多いのですが、果たして手段はそれだけなのかという思いもします。急速に高齢化して成長スピードが減速する見込みのある中国が、実際に専制主義・覇権主義一辺倒を継続できるのか、疑問に思えることもあります。国の指導部だけで考えるのではなく、国民の動向も注意深く見る必要を覚えますし、そうした国民にどう国際社会から接していくかということも重要です。最近の中国の若い世代の「家を買わない、車を買わない、結婚しない、子どもを産まない、消費しない」という「寝そべり族」(躺平族)という存在は、かなり日本の若い世代と親和性があり、政治関係とは異なる結びつきが生まれる可能性があると感じます。

世界の見取り図

今読んでいるのは、内田樹氏と姜尚中氏による対談本の『新世界秩序と日本の未来』(集英社新書、860円+税、2021年)。根拠も出所も不明な陰謀論に惑わされたくなかったら、顔出しして史実を踏まえながら流れを説明できる学者の意見に接した方が役に立ちます。立ち位置や相手とのかかわり方というのは、周辺への影響も考えながら決めていくべきだと思います。

科学と報道と政治

私も含めて大半の国民は学者でもジャーナリストでも政治家でもありません。政策が決定し法制化されるまでには、さまざまな知見の発表・報道があり、国民よろんの後押しもあって政治判断があってのこととなります。しかし、問題なのは既存利益を得ているグループは、これまたさまざまなロビイストを使って世論操作をして巻き返します。その場合、学者の活用がなされますが、たとえ肩書が教授だろうが、研究員であろうが、中には博士号も持たずもちろん論文も書かず学会発表の実績がない人もいます。学会には属せず、実態不明な○○会議、○○研究所の肩書頼りの例もあります。そのため、ある分野の学会では常識的な見方として確定しているのを隠して、あたかも学者の意見で大きな対立があるかのような宣伝を行うことを仕事にしている人もいます。そうした人についてはメディアでの露出を控えてもらいたいものですが、外見やトーク力だけで影響を及ぼしがちです。写真の本を読み終えてエセ学者に騙されないようにしなければとつくづく思いました。

独善主義と権威主義は同根

先日の中国共産党創立100周年での主席の演説を聴いてみると、強国志向の一点張りで他国からの説教は一切受け付けないという独善性が目立ちました。もともと党の存在自体を絶対的な指導組織と位置付けている中で、指導者個人も不可侵の存在として言っているようなもので、危なっかしいなあと思いました。『キッシンジャー回想録』を読むと、開放改革路線を築いた鄧小平がキッシンジャーに対して、毛沢東は7割は正しかったが、3割は誤っていたという評価を語っていたことが明らかになっています。鄧小平の見てくれは小柄なうだつの上がらない老人でしたが、若いころにフランス留学歴があり、英語も解していました。キッシンジャーもハーバードで教鞭をとっていた学者ですし、双方の資質と現主席を比べてみると、現主席の小物感は否めない気がしますが、それこそ我が国もどうかという話になりますので、この辺で止めておきます。

不正受給を行うバカは希少

家賃支援給付金の不正受給に手を染めた官僚がいたと聞いて、文字通りキャリアを失うバカさ加減に呆れました。きょうの朝日新聞にはその家賃支援給付金と持続化給付金の支払い状況について報じていましたが、発生率からいってかなり希少なバカであることがわかりました。
給付(3月まで) 家賃支援:104万件(9千億円)、持続化:424万件(5兆5千億円)
自主返還(6/24時点) 同上:925件(6億7600万件)、同上:1万3436件(144億1300万円)
不正認定(5~6月時点)同上:8者(1122万円)、同上:118者(1億1788万円)
金額的にもこうした不正受給は、返還を求められますから、バカが儲けるということはありません。税金ドロボーという点では、事件にかかわった国会議員の歳費の方が取り戻せないので、はるかに悪質です。同じ日の朝日新聞でこの問題を扱っていましたが、国民の被害額は以下の通りです。
参院選広島選挙区巨額買収事件 当選無効となった人物への約1年半の支払額:4942万円
東京10区公選法違反事件 略式起訴で辞職した前衆議院議員の期末手当:314万円

 

 

総合知が問われる

今度読む本は『グリーン・ニューディール』。脱炭素社会の実現には再生可能エネルギーを発生させるだけでなく安定供給のシステムも重要です。脱炭素(あるいは低炭素)の一つの側面だけではなく、総合的に地球への負担はどうなのか、まさに総合知が問われます。環境破壊リスクという面では、さまざまな兵器の実験を含む使用も大きな影響があると思います。対話する能力も大切です。

林檎殺人事件の歌詞がよぎってしまう

中満泉著の『未来をつくるあなたへ』(岩波ジュニアスタートブックス、1450円+税、2021年)の最終章で著者が考えるリーダーの資質が4点挙げられていました。リーダーと言えば、政府や政治家をまず思い浮かべますが、企業や学校など大小を問わずさまざまなかかわりになかに存在するものです。以下の4つの観点からリーダーの言動を観察してみるのも面白いものだと思います。権威に寄りかかるしか能力のない人は、往々にして取り巻きをはべらして話しますし、都合の悪い質問には逃げるものです。
1.先が読めない時だからこそ、歴史を理解しつつ、未来を常に考え、ビジョン(見通し)を持つこと。
2.大きな変化や大転換を恐れず、それを可能にする勇気(モラルコンパス)と決断力を持つこと。
3.多様な意見の存在をプラスと考え、耳を傾ける余裕と柔軟さを持ち、変革を進める力にする能力を持つこと。
4.多くの難しい問題を抱える今だからこそ、常に誠実であること。

ところで、香港のアップルデイリーの廃刊のニュースからの連想で、林檎殺人事件の歌いだし「アア 哀しいね 哀しいね」が頭をよぎります。香港関連のメディア報道の際に流してみるのもいいと思います。

未来をつくる議論をしているか

これから読む本は、中満泉さんの『未来をつくるあなたへ』。タイトルからうかがえるように主に若い世代向けに書かれた本ですが、いずれも放置すれば未来を破滅させる問題を取り扱っています。著者だけでなく、これらの問題に立ち向かい、賛同して行動する人類が多いにこしたことはありません。どう伝えたらよいかを学びたいと思います。

夫婦同氏の強制は何のため

一昨日、最高裁大法廷は夫婦別姓を認めない判断を出しました。家事審判の申立者の訴えは、夫婦同姓を求める規定は「法の下の平等」を保障する憲法14条と「婚姻の自由」を定めた24条に反するというものでした。裁判官のうち4人は、現在の仕組みは「婚姻を希望する者に夫婦同氏(姓)を強制している」と指摘し、24条違憲としました。夫婦同姓を強制されるなら婚姻ができない人が生じるなら、やはり婚姻の自由を阻害することになると思います。イソノ姓とフグタ姓の別姓家族が同居するサザエさん一家の一体感については、国民的理解があるのに、なぜ夫婦が別姓なら一体感が失われると勝手に判断する勢力があるのか、まったく合理的ではありません。日本において夫婦同姓が強制されるようになったのは、明治初期のころです。徴兵制度の導入など、国民管理の都合上、そうなったに過ぎません。紙でしか管理ができない当時と異なり、デジタル管理の時代ともなれば行政が家族関係を把握することは、たとえ別姓でもたやすいことですし、今後同性婚も認められるようになるなら、なおさら別姓を選びたい人が多くなるはずです。個人情報保護が浸透している今日では、社会生活において家族全員の氏名を対外的に示す機会はほとんどありません。根拠希薄の伝統・家族感議論は何に怯えているのでしょうか。婚姻を後押しせずためらわさせることの方がはるかに亡国に向かわさせることになると考えます。

これでは働く魅力がない

けさの地元紙が報じていましたが、「過労死ライン」超えの県職員が、2020年度は延べ1568人に上り、前年度比2.23倍と大幅に増えたそうです。その要因として新型コロナウイルス感染症や7月豪雨災害への対応があるとのことで、熊本地震の対応に追われた2016年度とほぼ同じ水準になったということでした。月80時間を超える時間外勤務が心身にもたらす影響は文字通り人災です。とてもまともな働きができる職場ではありません。これではいい政策も生まれないのではと危惧します。

グローバル・コンパクト

今、滝田賢治編『国際関係学(第3版)』を読んでいますが、そのなかで国連グローバル・コンパクトに賛同する日本企業414団体が参加して形成している、「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」について触れられていました。ここの会員企業・団体について研究してみるのもおもしろいと思います。たとえば、コンビニのローソンを動かしているのは三菱商事ですし、ファミリーマートを動かしているのは伊藤忠商事ですが、いずれもUNGCJNの理事会員として重要な地位にあります。こうした総合商社ではビジネスモデル特許や商標を有して権利ビジネスで安定的な収益確保にも積極的です。準理事会員の海運会社・日本郵船は三菱系ですが、戦没した祖父が働いていた企業です。今では水素の国際輸送に取り組んでいます。国連の取り組みについては事務次長の中満泉さん(両親が熊本出身)が最近出した『未来をつくるあなたへ』(岩波ジュニアスタートブックス)に詳しく書かれていそうなので、近いうちに購読してみようかと思っています。

オリパラは国威発揚の場ではない

党首討論で首相が語った1964年の東京五輪の感動話を聞いていたら、結局はオリパラを国威発揚の場と考えているのではないかと、思いました。これでは2022年の冬季五輪の開催を熱望しているどこぞの政府と近しいと思いました。選手はワクチン接種を済ませていても、接触する機会のある大半のボランティアやドライバー、ホテル従業員の接種は五輪開催中に間に合いません。これだけでも大丈夫かという話です。日本人選手の活躍が見たいなら国内大会だけで十分です。広く海外からの参加が困難な状態で最高の国際大会が実施できるか甚だ疑問です。
歴史学はしばしばそれぞれの国の視点から発展してきましたので、国威発揚の学問としてもあったのですが、グローバルに見ていけば、必ず負の歴史も学ぶ必要があります。五輪への向き合い方は歴史への向き合い方から学ぶべきだろうと思います。

世界的地位が低下している

たとえば入管行政や入管申請取次に携わる関係者を見渡してみると、関係法令にはうるさいけれども国際関係についてはほとんど知識がない人が結構多いように感じます。これではまっとうな難民審査は行えません。同様に安全保障にかかわる防衛関係者も装備品については詳しくても国際関係には疎いように感じます。これでは戦略を誤ってしまいます。日本の場合、いろんな組織のリーダーの学歴が意外と低いものです。もっとも学歴とはいっても名ばかりの大学の教員の資質も低いのが問題かもしれません。世界のリーダーのパスポートが博士号が標準となっている現代において学部大学の偏差値ランキングや就職先の規模の大きさで個人の能力を誤って評価しているようでは、どんどん世界に後れをとっていくように思います。写真は次に読む本です。

東京ウイルスと言われかねない

来週末に宮崎市で開催が予定されていた九州高校総体ウエイトリフティングの大会が中止となりました。理由の一つとして新型コロナ緊急事態宣言期間中の沖縄県で県立学校の休校が決まったことが挙げられています。こうした国内のブロック大会でさえ中止に追い込まれている中で、海外から大勢の人々を国内に招き入れてオリパラ終了後に帰国させるとなれば、東京発で感染をまん延させる恐れが強いと思います。武漢をやり玉に挙げているうちにみすみす東京ウイルスと言われかねないリスクを抱え込む愚を冒す必要はないと思います。

戸籍や租税台帳の復元資料を見て

九博で現在開催中の特別展「正倉院宝物」では楽器や武具、衣服等の工芸技術を生かした模造の展示がメインでしたが、復元された戸籍や租税台帳といった公文書の資料展示も興味深いものがありました。現在の福岡県や鹿児島県で記録された情報が1000年以上も前の当時の中央政府に寄せられていたわけで、現在の行政の仕組みと近いものを感じます。文書には改竄防止のためにこれも当時の首長の印がくまなく押されています。きっちりとした仕事が行われていたことがうかがえます。その点でいえば、現代の中央官庁においてさまざまな文書記録が改竄された事件もあったわけで、後世の役人の資質が必ずしも高くはないことにも考えが及びました。まずはこうした復元資料を役人連中にも見てもらって志を感じてほしいと思いました。

「一時支援金」の申請はお早めに

首相官邸メールマガジン(R3(2021)/5/24)より以下引用してご案内します。

~「一時支援金」の申請はお早めに~

2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴い売上が減少してお困りの中小法人・個人事業者等の皆様に、「一時支援金」を給付いたします。

給付額:
中小法人は最大60万円 個人事業者は最大30万円

給付対象:
下記1.と2.を満たす事業者は、業種や地域を問わず給付対象となり得ます。
1. 緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業または外出自粛等の影響を受けていること
2. 2019年比または2020年比で、2021年の1月、2月または3月の売上が50%以上減少

申請期限:
2021年5月31日(月)まで
※申請期限に間に合わない合理的な理由がある方については、「申請に必要な書類の提出期限」を2週間程度延長いたします。
ただし、「登録確認機関での事前確認」が受けられるのは、「申請に必要な書類の提出期限」の数日前までとなります。
※延長の申込方法等について案内しておりますので、延長に関する詳細は必ずこちらをご確認ください。

これから申請をお考えの事業者の皆様におかれては、お早めに必要書類を準備して、登録確認機関での事前確認を受けた上で、申請していただくようお願い申し上げます。

書類の提出期限及び事前確認期限の具体的な期日につきましては、決まり次第、一時支援金のホームページでお知らせ致します。

一時支援金の詳細はこちらをご覧ください。

コロナ禍の避難所問題

まん延防止等重点措置の適用中とあって地区内の公共施設が休館中です。こうした施設は概ね地区内の指定避難所となっているのですが、大雨洪水等の災害の際には避難所としてはあまり役に立ちません。多人数が1ヶ所に集中して避難するよりも可能な限り少人数で分散して個人住宅や宿泊施設に避難してくれた方がいいと思います。自治体からは休館中の時期に災害発生時には避難所を開設する予定があるのか、どういう避難方法を推奨するのか事前の情報提供が重要です。

難民迫害は愚の骨頂

難民送還規定に問題がある入管法改正の今国会における成立がなくなりました。入管施設における長期収容が国際的な批判を受けていたために、それを解消するための改正に際して新たな人道上の過ちを引き起こそうとしていたのが改正案の実態だったように思います。技能実習制度もそうですが、外国人と日本人との人権の扱いに線引きをして扱うというのが法務省という役所の体質なのではないかとすら思ってしまいます。人権擁護の部署もあるのですが、実態はお寒い限りでそれらの関係者の識見の低さに驚かされた経験もあります。

グローバル・ヒストリー

梅雨の時期とはいえ雨天が続くと外出を控えてしまいます。コロナ対策上は人流の抑制につながり望ましいのかもしれません。どうせなら読書の時間を増やすのもいいと思います。以前の新聞の政治面では首相が書店を訪れてどんな書籍を買い求めていたか載ることがありました。人並みの政治家は読書家であるのが常でだいたい10冊くらいはまとめ買いをしていたように思います。新聞記事では書名も紹介され、時の首相がどのような問題意識を持っているのか、知的水準はどの程度かも推し量れたものでした。しかし、近年はこうした記事を見かけることがなくなりました。本を書店では買わずにネットで注文しているかもしれませんし、もともと本を読まないのかもしれません。それと、就職における採用面接で読書傾向についての質問が思想信条を明らかにすることから禁じられているように、そうした情報を探られるのを取材される側が嫌っているのかもしれません。あるいは取材者側がそれを明らかにすることを忖度しているのか。かつてアフリカのウガンダの大統領だったアミンは、文字が読めない人物であったため、政治エリートを周囲から遠ざけながら権力を維持しました。それはそれで権力者の本能知ですが、被治者は必然的に不幸を強いられます。権力者がバカである場合、国民はそれをどう取り除くか知らなければ幸福はつかめません。次は、表紙写真の本を読んでみます。

国民的抱き込みの失敗

梅雨入り後の大雨と強風を受けてつくづく昨日梅の収穫を行っていて良かったと思いました。本日以降であればほとんど落果していたことだろうと思います。けさの世論調査の報道を見てみると、コロナ対応への不満と五輪の今夏開催否定が大勢を占め、内閣支持率が急落しているとありました。ワクチン接種予約の対象は確かに高齢者なのですが、予約にあたっては家族総出で対応した家庭も多いように聞きます。全世代にわたり安心安全を求める政策への抱き込みが失敗したことは、政府にとって痛手だったと思います。いわば梅の収穫時期を誤ったに等しい話です。