カテゴリー別アーカイブ: 政治

地上の道

本サイトの投稿でしばしば山室信一氏の著作について触れていますが、私が現役の学生だった頃、在籍する大学の非常勤講師を同氏は務めておられました。今にして思えば、その講義を履修してなかったことが惜しくてたまりません。現在はネット動画で氏の講演を聴くこともできます。つい先日、2015年2月11日に静岡市での講演「岐路に立つ日本 ~ 今こそ活かす非戦思想 ~」を視聴しました。講演の最後の方で、氏が高校時代の先生に紹介された魯迅の言葉を引いていました。魯迅は、以下のように書いています。「 希望とは、もともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えぬ。 それは地上の道のようなものである。 地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。」。重要なことは、どのような時代の渦中にあって、こうした発言があったかということだと思います。単に名言として受け取るのではなく、発言者の思いを知ることだと考えます。この言葉を語るときの山室氏の姿が非常に熱を帯びていて感動しました。

統合と棄民の歴史

今読み進めている遠藤正敬著『戸籍と無戸籍』(人文書院、4200円+税、2017年)は、事前予想以上にたいへん面白い著作です。権力が領民を保護する一方、税や兵力確保のためには歴史的にも領民を登録管理する台帳が必要でした。これが日本では戸籍となります。戸籍を持たない者は犯罪者予備軍として扱われた歴史もある一方で、権力の怠慢やエゴで戸籍を奪った過去もあります。今でこそ戸籍を持つことが国民の証となっていますが、元植民地出身者については、国民でありながら戸籍は別扱いとしていたがために、戦後は日本人として保護されることはなくなりました。その他、海外在住の日本人の戸籍をめぐる扱いなど興味深い研究が記録されています。考察対象は、7世紀ごろから現代まで、近隣アジアの制度も含めてあり、仕事として戸籍に接する立場の者としては、初めて知ることばかりでした。戦前は民生委員の前身の方面委員が戸籍整理事業に携わっていたことも知り、その点も係わりを感じました。また、地籍というか不動産登記も国民の任意性によるところがありますが、戸籍が徴兵と絡んでいた時代もあり、国民の側から届出にさまざまな対応があった実例にたくましさも覚えました。

造り物では困る

昨日投票が行われた県南の市を通りがかったところ、現職首長に挑んだ新人候補の選挙事務所の看板を見かけました。すると、「○○市民ファースト」と大書されたグリーン色調のスローガンがありました。容易に判断されることですが、先だっての都議選のパクリというか、質の悪い便乗です。スローガン一つ満足に作れない付け焼刃感がありありでした。こうした造り物感覚で行政に携わろうというのは有権者をなめている印象を受けました。

政治家は信条を語れ

業界の政連の催しで現役国会議員の国政報告会に参加する機会がありました。昨日の投稿でも触れた税制と社会保障の問題や国際関係など、首相とは異なる信条を聴けて面白い時間でした。もっと語ってもらうことが、他の立候補者との比較のためにもいいことだと思います。

子どもの将来を考えた税制と社会保障を

朝から飛翔体が発射されたニュースがありましたが、結局のところ撃たれたらすぐには分からない、迎撃や避難対応は難しいということが分かっただけという思いを強くしました。撃つ側に付き合って高価な迎撃武器を取り揃えても、わざわざ的を提供することにしかならないという気がします。そんなことにカネを捨てるよりも国の将来を見据えたら子どもの福祉と教育を充実させることが先決です。こうした議論について国内で出てきているのは「子ども保険」と「All for All」ぐらいが目立つ程度です。どちらがいいのか、他にいい政策はないのか、飛翔体に飛びつくのもいいですが、こちらを真剣に考えないと自滅の方が早くて現実的な感じがしないでもありません。

帰化と憲法遵守条件

地蔵まつりは、23日の花火を自宅からちょっと見て満足し、結局街中の「造り物」は見に行きませんでした。もともと17年前まで熊本市内の会社勤めをしていたころは、まったくの無縁の出来事でわざわざ見物することはありませんでしたので、祭りというものに淡泊なのかもしれません。
それで、昨日は業界の研修で、届出による国籍取得と帰化申請について学びました。出生のときから日本国籍を有している人は意識することがないかもしれませんが、帰化の許可を得ようと申請するとなると、いくつかの条件を備えなければなりません。その一つに憲法遵守条件があります。詳しくは国籍法で定められていますが、日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
それでいうと、日本国籍をもつ者であって、核武装を主張する者あたりはどうもバツが悪いんじゃないかと思います。核兵器をもつということは使用する意思を示しますから、確実にその場所は攻撃目標となります。あるいはロクに原発も管理できないことがあるわけですから、自国内で爆発させる危険もあります。結果的に日本の政府を破壊することになると思わざるをえません。

高校生の演説を問題視する国を知りたい

スイスのジュネーブで開かれている軍縮会議で、広島・長崎など全国から選ばれた高校生代表が、3年前から毎年行ってきた核兵器の廃絶を訴えるスピーチを、今年の会議ではできないことになっています。この理由について、日本の軍縮大使がNHKのインタビューに答えて、高校生のスピーチを問題視する国があったことを挙げています。さらに、「私どもとしてはこれまでのように実現したいと考えていたが、一部の国から異議があった以上は、強行するわけにはいかなくなった」と説明しています。それなら、その問題視している国はどこなのか、なぜ日本の軍縮大使は、演説実現に動かなかったのかを知りたいと思います。と、その問いと答えはNHKの報道になかったので、分からないのですが、これでは軍縮大使ではなくして軍拡大使、これが核兵器禁止を求める国民の代表とは言えないと思います。まったくもって腹立たしい限りです。問題視しているのは、情けないことに今の日本政府そのものではないのでしょうか。不名誉で恥さらしの政府代表を送り込んだものです。

スポーツの高齢化と国際化

この週末は、熊本県のウエイトリティング選手が出場する大会が3つ重なりました。まず、県協会の財政にもっとも影響する国体九州ブロック大会は7位と低迷して追加代表枠の獲得はなりませんでした。練習量豊富な大学生選手がおらず、日頃仕事優先の社会人が出場するのですから、予想はされたことです。18年前の熊本国体の資産はなくなってきたようです。一方、出場選手の中にある納豆製造会社の社員2名がありました。ここの女性社長が自らもウエイトトレーニングをたしなむため、理解があり、先々選手の勤務先として有望視しています。国体の少年代表選手を決める選考会については、1名全国優勝を狙える素材がいますが、他は全国上位と開きがあります。もう一つ、新潟で行われた全日本マスターズには中高年選手が多数出場しました。ある意味、選手層が厚く、好成績であれば、世界大会に出場できる可能性もあります。この大会は審判員も選手が務めることになっていて、競技ももちろんですが、参加者同士の交流が楽しみになっているようです。五輪がそうであるように、政治や思想信条とは別にいろんな人間同士が出会うおもしろさこそがスポーツの効果なのではと思います。

何を恐れているのか

スイスのジュネーブ軍縮会議で高校生平和大使による演説が今年は見送られる見通しという報道がありました。政府が反対している核兵器禁止条約を平和大使が「推進すべきだ」と主張してしまうことを、外務省側が恐れたのではないかという見方が出でいます。高校生らは政府の代弁者としてジュネーブに赴いたのではありません。高校生に恐れをなす政府代表部に軍縮を進める仕事が果たしてできるのでしょうか。

血管とストレス

きのう、生活習慣病予防の対策の食事や運動療法について投稿したところですが、砂糖や塩が、野菜がと、気になって仕方がありません。要は血管を健康にするのが大事なので、この時期は水分補給と休養が重要なのではと、考え直しました。あまりストレスがかかると、それが元で血管に悪い影響を与えたら何にもならない気がしました。話は飛びますが、ミサイルのエンジンをロシアから買ったり、危機を煽って米国製の地上配備型の迎撃ミサイルを日本に買わせようとしたり、なんだかんだで暴利を得ているのは、大量の核兵器保有国なんではというのに似て、目的と結果がなんかおかしい例はあります。

メッセージの出し方と受け方

対外関係での政府と国民のメッセージの出し方と受け方は気を付ける必要があります。特に近隣アジアの関係においては一層留意しなければなりません。たとえば、天皇でさえ参拝しない靖国への向き合い方を政府の一員はよくよく考えなくてはなりません。しかし、その側近らが余計な発言をしてその行動が意味をなさないことになるのは、ほんとうに国益を考えない頭の悪さだと思います。一方、近隣アジアにおいて過去の日本の罪状を掘り起こす動きについては、これまた下手な論評をしないことが、肝要だと思います。一民間事業者がバス内に人形を置いたことにとやかく日本の政府や国民が言うべきでないと思います。

レイシズムと武器が戦争ビジネスの源

昨夜放送のNHK「731部隊の真実」は、当事者たちの証言や書証が豊富で、圧倒的な説得力をもつ良質な番組だったと思います。人を救う思いで医学の道に進んだ学者が、いつのまにか研究資金の獲得に血道を上げ、生体実験をなんとも思わなくなっている悪魔性を恐ろしく感じました。その背景には「匪賊」は殺してもいい存在として医学者のみならず当時の国民が刷り込まされた歴史があります。今日にも残るレイシズムは、相手を殺すことをいとわないからこそ続けられる武器(731の場合は細菌兵器)開発につながり、戦争ビジネスを成立させる気がします。その意味で言えば、武器(技術を含む)輸出に熱心な国の顔ぶれは、互いに威嚇し合っているもの同士ということもあります。

委員というもの

今月も地元市のある委員を委嘱されます。ある公職に就くと自動的にこれが付いてきます。年数回程度の出席で済むならなんとか時間のやりくりはつくので、出来るだけ引き受けてみようと思います。分野によっては多少顔ぶれが重なることもありますが、それぞれの経験や識見が異なるわけですから、意見が述べられる機会は活用した方がいいと思います。出席してみると思うのですが、諸課題の根源には分野が異なる要因が絡んでいることがあります。ですから、ある計画を実現するためには所轄が違う組織を本当は動かさないと前に進まないことがあります。その点は行政の職員では無力で、やっても自分の得にはならないということがあると思います。かえって外部の者であれば、組織横断的な思考ができるので、有効ではないでしょうか。ただ、実際は、あらかじめこれこれしかじかの作文、つまり計画案が会議に用意されていて、承認するだけの会議になりがちなのも事実です。住民としての行政の使い方が試される機会でもあります。

第一主義には大義がない

まるで米国の無能な大統領の口癖のようなセンスのない国政政党名が生まれようとしているニュースがありました。なんちゃらファーストというやつです。もしも政権をとったときに世界で外交を行うときに、総理が利己主義的な政党の出身だとして聴く耳を持たれるだろうかという気がします。この一点をもってしても内向きで想像力と創造力に欠けるというのが分かります。米軍基地や原発の負担を特定の地域にかける現状を考えると、国内の住民すら大事にされていないので、看板倒れという気もします。

 

野火

NHKネットクラブのプレゼントで当選し、Eテレで今月放送される「100分de名著 大岡昇平 野火」のテキストが送られてきました。解説者である作家・島田雅彦氏の思い入れが強く伝わる良いテキストでした。島田氏と私は同世代ですが、戦争をナマで体験した祖父母世代である大岡昇平への思いも何か似通っている感じがします。知識人が感じた戦争への見方というのが、文学を通じて激しく伝わる力強さがあります。政治の失敗ということだけでなく、一人ひとりの人間をどう翻弄させていくのかという優れた記録として読み手の心に突き刺さります。たぶん、『野火』を読んだのは20歳前ぐらいだったと思います。読んでおいて損はないと思います。

試験段階の今すべきこと

「核兵器やICBMを持っていれば生き残れない」と「核兵器やICBMを持っていければ生き残れる」ということを理解させる交渉が今必要です。何より核兵器やICBMの開発には巨額の資金が必要です。熊本県ほどのGDPがない国が開発を行い、実戦配備するのには無理があります。そうした苦しい資金事情であれば、当然武器や技術の輸出で回収しようという恐れがあります。目指すのは廃絶ですが、まずは凍結に向けて交渉に応じるべきです。写真は記事と関係ありません。

言葉で資質を知り対処しよう

7月23日の朝日新聞読書面に、共に言葉を紡ぐことを仕事にされている保阪正康氏と斎藤美奈子氏の対談が載っていて、以下の発言(原文を一部加工)に注目しました。
斎藤…暴言や失言をする政治家の特徴
1.過去への敬意を欠いている。歴史を知らないし、先人に学ぶ気もない。
2.現在、すなわち国民に対する誠意を欠いている。適当にごまかそうとする。
3.未来に対する責任を欠いている。
保阪…本を読まない人の特徴とも重なる
1.形容詞が多い。
2.結論しかいえない。
3.耳学問だから話がもたない。
対談記事には何人かの政治家の名前も出ていますが、上記の特徴を読むと幾人もの顔が浮かんできます。政治家に限らず、企業経営者や役所の人、地域住民など、いろんな世界にもいるのを感じます。こうした人物とできるだけかかわりはもちたくないものですが、行きがかり上どうしても突かなくてはならないときは、丁寧に反証して相手に非を認めさせなければなりません。
ただし、中には「そのような指摘は当たらない」などといって、一方的に説明を打ち切ろうとする手合いも多いので、面倒ではあります。ですが、その任の資質に欠ける人がその任に恋々としているのは、関係者にとって大いなる損失となりますから、やはり言葉で対処するしかないのだろうと思います。そして、重要なことは自身も冒頭の特徴に毒されることがないよう節制したいと思います。

自滅する珍しい外来種なのか

ヒアリの国内上陸が話題になってますが、ある生物学者が言うには、地球上の生物からすると、人間こそが外来種とのこと。確かに国内では少子化傾向ですが、地球規模では人口が増えています。しかし、ヒアリは人間の都合で絶滅させようとやっきなのですが、その人間自身は自らを絶滅させかねない核兵器を禁止する条約に賛成して署名しようとする選択をする多数と、反対・棄権して署名しないという一部の愚か者に分かれているようです。写真は今度読んでみたいと思っている本です。

世田谷区の良い事例

数日前の日本経済新聞で、東京都世田谷区が所有者不明の空き家を民法の不在者財産管理人制度を使って解体し、土地は隣地所有者へ売って解体費用も回収したというニュースが載っていました。全国各地に所有者不明の不動産がごろごろあって、活用されないために、景観的にも防災・防犯的にも問題になっています。しかし、この世田谷区のように、自治体がその気になれば、解決し、地域住民も得をするわけで、要は頭の使いようだと思わされました。