在留資格 国際人材」カテゴリーアーカイブ

許可率の差

昨日受けた在留許可申請に係る研修で興味深いデータが、永住者許可申請の許可率の低下と地方別の差でした。要件が厳しくなっている上に、ある地方では特に許可される率が低くなっています。要因を詳しく知りたいものです。写真は投稿とは関係ありません。きょう仕事でおじゃました施設の入り口にある銅像です。

久々の福岡市内

外国人の在留許可申請を取り次ぐ行政書士の実務研修会のため、久々に福岡市を訪ねました。20年ほど前はよく出張していたので、あまり感じませんでしたが、熊本市との差は開いているなと感じました。ましてや大都市と田園都市とでは、地域の課題も違います。しかし、外国人の移住はどこも増えてくるでしょうから、行政書士の出番はますます増えてくるかもしれません。在留管理の側面一色でしたが、在留支援の側面は住民に近い存在だからこそできるともいえます。

人権擁護について学ぶ

人権擁護委員に委嘱されたのを機会に改めて人権擁護について学び直してみたいと思います。順序が逆ではないかといわれるのはよく承知していますが、何事もその立場や環境に置かれないと、我が事として理解すること、身に付くことはないと思います。たとえば、行政書士という資格も試験に合格した人は有することができますが、それでは実務ができるかというとまったくそんなことはありません。依頼者にとってその案件が初めての経験であるのと同様に、専門家にしても初めての事例ということはありえると思います。人権擁護委員は、法務大臣が委嘱した民間の人達で、人権擁護機関を構成する一翼を担っています。人権擁護委員制度は、様々な分野の人たちが、地域の中で人権尊重思想を広め、住民の人権が侵害されないように配慮し、人権を擁護していくことが望ましいという考えから1948年(昨年が70周年)に創設されたものであり、諸外国にも例を見ないものです。現在、約14000名の委員が全国の各市町村に配置され、地域に密着した積極的な活動を行っています。ちなみに人権という言葉が日本でも知られるようになったのには、世界人権宣言第1条の存在が大きいと思います。それには、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」とあります。つまり、国籍を問わない共通テーマです。

こども六法

10月1日付けをもって法務大臣より任期3年間の人権擁護委員の委嘱を受けました。活動の一環で法務局宇土支局や宇土市役所内で人権相談に応じます。とはいえ、相談に自ら赴ける方は支援の手が必要な人の一部に過ぎません。子どもや外国人が人権擁護委員の存在を知っているか、利用できる環境にあるか、心もとないのが現実です。ちょうど『こども六法』をこれから読んでみます。著者は20代の大学研究員で子ども時代にいじめを受けた経験がある方です。変てこな道徳教育ではなく子どもにこそ法律の知識が必要だと思います。残念ながら学校の先生に声を届けても先生自身がいじめという犯罪を封殺し、結果、被害者・加害者の人生を悲しいものにすることがあります。同じ法務省の組織内においても外国人の在留管理行政部門では外国人の人権擁護に厳しさを感じる点もあります。社会はいろんな矛盾に満ちていますが、いろんなところに相談してみれば何か解決の糸口が見つかると思います。どんどん利用してもらいたいものです。

行政書士に聞いてみよう

9月28日の熊本日日新聞最終面に熊本県行政書士会が10月に実施する無料相談会の広告が掲載されています。暮らしの困りごとはいろいろ専門家に聞いてみるのが解決への早道です。ぜひ活用してください。

10月の相談員担当

以下の日程で行政書士無料相談員として参加対応します。
10月17日(木)10:00~16:00、鶴屋百貨店本館7階 レストランアベニュー レストスペース
10月20日(日)13:00~17:00、熊本市国際交流会館2階 外国人支援総合相談プラザ

更新講習

今週は宅地建物取引士の更新講習の受講を予定しています。宅建士証の発行を受ける場合は、5年ごとにその更新手続きが必要です。わずか1日の講習ですが、その間に法改正もありますし、必要なことだと思います。行政書士の場合は、入管申請の取次を希望する場合は、3年以内に講習を受けないと出入国在留管理局への届け出がなされません。さまざまな専門職に依頼される場合に、所属団体実施の講習を積極的に受けているかどうかは、資質を判断する要素になります。極端な話、所属団体内で処分を受けている会員は研修を受講できないこともあります。

外国人の廃業活動

外国人による対日投資を促すため、福岡市のような国家戦略特区では、外国人による起業活動のための在留期間が1年まで認められています。しかし、不幸にして外国人が経営・管理する会社を廃業しなければならなくなったときは、なかなか厄介です。私が出会ったケースでは、外国人代表者一人により経営している会社で、その代表者が不慮の死に遭い、残された外国人家族が会社の後始末にかかわることとなりました。会社の解散・清算はスムーズにいく場合でも半年やそこらかかります。もしも破産手続きに移行しようものなら平気で1年は越します。しかも、同社の本店は賃貸物件が所在地となっていましたので、残された代表者家族の住まいへ移そうかと考えていましたが、在留管理当局の判断は、外国人遺族の中長期在留は不可という判断でした。清算業務の期間がどのくらいかかるかは、簡単にわかるものではありません。債権者の所在や回答連絡が不明の場合は、ゴールが長引いてきます。結果が分からないものを立証せよという当局の求めには無理を感じましたし、同じ官庁下にあってもほかの部署の仕事にはほとんど無知なのがよく分かった例でした。

対話型翻訳機

熊本市外国人総合相談プラザのカウンターに設置されている対話型翻訳機「ワールドスピーク」の実物を見ました。キングジムが7月に発売した機器で、なかなかの優れものです。タブレット端末風の本体2台を1組で使用します。利用時はWi-Fi環境が必要になります。利用者は、画面にタッチして世界72言語から翻訳したい言語が選べます。ボタンを押しながら母国語を話すと、相手の端末に翻訳結果が表示され、音声で読み上げもやってくれますから、自動通訳機ともいえます。スマホでも同様の機能がありますが、いちいち吹き込んだり、文字入力したりして、それを相手にかざしたりしないといけないので、こちらだとストレスがありません。導入費用は14万円ほどで、月額費用はかからないそうです。インターネット接続で使うので翻訳精度もアップデート可能となっています。通訳者を容易に確保できないけれどもさまざまな外国人が訪れる施設にあればたいへん便利だなと思いました。それこそ、出入国管理関係の申請取次を行う行政書士事務所でもあれば、便利です。

県の外国人相談窓口

9月2日、熊本県国際課内に「熊本県外国人サポートセンター(Kumamoto Support Center for Foreign Residents)」が開設されました。同センターの運営は、熊本県国際協会が熊本県からの委託を受け行っています。外国人の方が熊本で安心して生活できることが期待されます。
1 開 設 日:2019年9月2日(月)
2 場  所:県庁本館7階(国際課内)
3 相談時間:月曜日から金曜日(祝日、12月29日~1月3日を除く)
午前8時30分から午後5時15分まで
4 相談方法:電話・相談フォーム(ホームページ)・来所     ※電話 080-4275-4489
※来所については、事前予約がおすすめです。
5 相談内容:生活相談(在留手続、雇用、医療、福祉、出産・子育て・子どもの教育など)
6 相 談 員:コーディネーター(英語担当)、中国語担当、ベトナム語担当の計3名
7 対応言語:11言語※以上(相談員が対応できない言語については、翻訳機や三者通話電話・テレビ電話による多言語通訳サービスを活用) ※日本語・英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語・インドネシア語・タガログ語・タイ語・ポルトガル語・スペイン語

外国人向け相談窓口

9月1日、熊本市国際交流会館の2階に「熊本市外国人総合相談プラザ」が開設されました。明日の13~16時に、行政書士相談員として入ります。
【参考】熊本市外国人総合相談プラザ(概要)
○  場所       熊本市国際交流会館2階
○  相談対応日    国際交流会館の開館日 ※休館日 第2・第4月曜日(祝日等の場合は、直近の平日)、年末年始
○  開設時間     午前10時から午後6時まで
○  専用電話番号    096-359-4995
○  対象者      在住外国人、市民、外国人を受け入れている機関等
○  内容       在留手続、雇用、医療、福祉、出産・子育て、子どもの教育等、生活全般
○   対応言語       14言語 (1)やさしい日本語、(2)英語、(3)中国語(簡体字、繁体字)、(4)韓国語、(5)ドイツ語、(6)ベトナム語、(7)ネパール語、(8)インドネシア語、(9)タガログ語(フィリピン)、(10)タイ語、(11)ポルトガル語、(12)スペイン語、(13)ミャンマー語、(14)クメール語(カンボジア)○  相談員による相談日時 ※電話問合せをすすめます
○  専門分野 法律相談(熊本県弁護士会)、在留資格相談(熊本県行政書士会)、労働相談(熊本労働局)、住まいの相談(熊本市居住支援協議会)、心の相談(臨床心理士)
○  その他の取組 ・専用ホームページの設置(情報提供等)   ・在住外国人のための生活ガイダンスの実施

スタートアップ支援

今月27日に福岡市の創業支援施設内に開業ワンストップセンターがオープンしたとの報道を目にしました。行政書士が案内人となってテレビ電話を利用して公証役場とを結び電子定款認証に際しての本人確認を支援している模様が写真掲載されていました。法人設立にあたって最大6カ所へ訪問しなければならないところが、このセンター1カ所で手続きが完了するそうです。福岡市ではこのセンターの運営に年間750万円の予算を組んだということでした。このテレビ電話にしてもあまり一般には使われていないシステムですので、どの程度普及するのかわかりませんが、とにかく創業手続きのハードルを自治体として下げようと動いているのは評価できます。市外の創業者も無料で使えるそうなので、ぜひ見学したいものです。福岡市の創業支援の取り組みとしては、外国人が起業準備するための特定活動の在留期間が1年間申請できるというものもあります。この分野も日ごろ行政書士が支援できるものですが、起業プラス海外連携という方向をもつ福岡市は進んでいるなあと思います。

移民に選ばれる国といえるか

翁邦雄著『移民とAIは日本を変えるか』(慶應義塾大学出版会、2000円+税、2019年)を読みました。日本における人口減少は確定的未来ではなく、国民による選択の余地が大きいと著者は言います。移民の増加は人口ピラミッドの姿に大きな影響を与えつつあると見ています。ちなみに政府はしばしば移民政策はとらないとケムにまきますが、国際的定義によれば3カ月以上の移住を指しますので、技能実習生も移民として捉えます。そこで、移民に選ばれる国としての受け入れ体制が課題になります。統合ではなく包摂という考え方を示していました。一部に治安悪化を心配する向きがありますが、初めから犯罪目的で入国する外国人は少なく、劣悪な職場から逃れて生活困窮の結果、そしてしばしば日本語能力も貧弱なまま罪を犯したケースの多さに目を向けなくてはならないと思います。ドイツの移民政策やベトナムの国民性の情報も参考になりました。AIの進化については労働者の仕事を一部代替していく省力化で労働需要を一部緩和し、かつ労働需要を高賃金と低賃金とへ二極化させる可能性が高いと著者は言います。ただし、中期的視野で人口減少を相殺し、大失業を発生させる可能性は小さく、むしろ人口減少圧力がまさることが予想されると見ています。結果として移民への期待は今後も高まるというわけです。繰り返しになりますが、問題は移民に選ばれる国であるかどうかを考えなくてはなりません。

歴史のイロハ

昨日は、所属団体の研修受講で帰化申請と特定技能について学びました。前者については進めていくことが重要だと思います。しかし、後者についてはこの先不透明な制度だと考えています。社会を支えてくれる貴重な人材(労働者)として受け入れるだけでなく、社会に定着して共に生きる住民(生活者)として受け入れるべきだと思います。つい2000年前までは、文字すらもたなかった日本(その頃は日本という成り立ちもなかったわけですが)が今日のような形になったのも海外からいろんな人材や文化・技術を取り入れてきたからこそです。ここを無視して伝統だのいっても底が浅い歴史認識を示すことにほかなりません。もっとも移民で成り立っている米国でも分断傾向が見受けられるのは、知的劣化としか言いようがありません。

すべての業には時があるというが

昨日の姜尚中氏の講演で紹介された「すべての業には時がある」という言葉を心に刻み、その夜、若くして不慮の死を迎えた中国籍の知人の通夜に参列しました。来るべき時が来たというには、あまりにも痛ましい悲報でした。中国内では漢民族が政治権力を握っていますから、少数民族の故人には自分なりの思いがあって隣国で学び、事業を起こしていたのだと思います。通夜の親族による参列者の謝辞を通じて、故人が普段名乗っていた漢族風の氏名とは異なる、民族固有の故人の本当の氏名を初めて知りました。外国での葬送については遺族に戸惑いがあったかと思います。単に顔見知りという理由で呼ばれてきた浄土真宗東本願寺派の女性宗教家が、読経の後、法話に立ちましたが、時折場にまったくなじまない笑い顔で話すのが軽薄であり、参列者としては不快でたまりませんでした。
次に読む本は、アミン・マアルーフ『アイデンティティが人を殺す』(ちくま学芸文庫、1100円+税、2019年)です。一つのアイデンティティに過剰に帰属することの過ちや恐ろしさについてレバノン人の作家が考察しているエッセーのようです。なんとも書題がぶっそうですが、けさになって同書を手にしようと思ったのは、昨夜の不埒な宗教屋に対する憤りがあったのかもしれません。

留学生の就職先拡大について

昨日、法務省出入国在留管理庁より「留学生の就職支援のための法務省告示の改正について」のプレスリリースがありました。5月30日の施行となりますが、N1レベルの日本語能力試験に合格している外国人留学生であれば、大学で学んだ分野とは関係ない接客業への就職が可能になるとのことです。その場合の在留資格は特定活動となります。おそらく就職先の企業規模にもよりますが、最大5年の在留が認められます。もともと日本人であっても大学の卒業学科とは関係ない仕事に就く例はざらにあります。もっと職域が広がることを期待しています。

憲法記念日の翌日に

昨日は憲法記念日でした。熊本でも二つの憲法集会が開かれるのを知っていましたが、どちらも耳を傾けたい学者講師は出ないようなので、足を向けることはしませんでした。天皇制の将来についても現在の憲法が示す理念を知って、たとえば皇室典範の扱いも考えたいものです。現在の相続法の考えに照らすと、男子女子ということばかりでなく、まずは配偶者への承継という考え方が出ても良さそうです。日頃、外国人の在留に係る仕事をしていると、皇族にある立場の方々は、つくづく人権が制約されていると感じます。国民よりも外国人に近い立場なのではと思うこともあります。

日本国憲法遵守は国益要件

昨日、原子力規制委員会が、テロ対策が遅れている原発を保有する電力会社からの期限延長の求めを蹴ったニュースが流れました。規制委員会の方針は、真っ当なものだと考えます。電力会社の考えは国益に反する甘い考えだと思います。仕事がら外国人の永住や帰化申請について要件や条件を確認することがあるのですが、外国人に対しては憲法その他の法令順守、納税義務などが国益要件とされます。生まれながらの日本人が憲法遵守の宣誓を求められることは、公務員等を除いてあまり機会がありませんが、日本にずっと居住したい外国人や日本国籍を取得したい外国人には、高い倫理が求められるわけです。とにかく電力会社には猛省をうながしたいものです。