戦争熱の解熱剤は何か

貴志俊彦著『帝国日本のプロパガンダ』を読みながら、台湾をめぐる情勢をどう読み解いて対処していくべきか考えさせられました。今回の米国の要人の訪台について周辺地域に何かプラスがあったかというと、軍事的な緊張を招いた点を考えると、かえってマイナスにしかならなかったと思います。そもそも米国の立場は、大陸側が「台湾は中国の一部である」と主張しているのを認識している、つまりそう言っているのは知っていて国交を結んだわけであり、その態度を続けている分には共存可能です。ところが、中国国内で繰り返し放映されている軍事演習の映像は、文字通り大陸の中国国民向けのプロパガンダそのもので、国際政治に無知な国民の戦争熱を煽ることにしかつながりません。武力による統一が無益なことを知っている党エリートに危ない橋を渡らせることを強いてしまったという見方もできると思います。ロシアによるウクライナ侵略を見ても、仮に台湾へ侵攻したなら台湾への打撃以上に多くの人口を抱える大陸側の方が国際的孤立によって国内に大きな不満がたまり、国のかじ取りが立ち行かなくなってしまうリスクが高いと思います。
本書では、日本統治時代の台湾の歴史についても触れていました。たとえば、理蛮政策の中で起きた霧社事件、皇民化政策の中で始まった台湾人に対する特別志願兵制度と徴兵制の流れと犠牲、アジア太平洋戦争期の台湾に対する空襲の実態は、多くの日本国民が日頃意識することがない歴史だと思います。
翻って日本国内でも台湾情勢に便乗した軍拡熱に冷静に対処すべきですし、軍事侵攻による統治は自滅の道であることを内外に示していく努力が求められています。ヒントは現代にも過去にもたくさんあります。

言葉の信用力

1980年代の前半の頃、後に首相を務めた人が熊本県知事だったときですが、都内の大学新聞に県庁広報課から声がかかって大学生を熊本県に招く企画が実施されたことがあります。私も当時参加したのですが、初日に同企画の取材に来ていた新聞記者同士らがこの企画は広告大手の電通が立案したものだと話しているのが耳に入ってきました。さらに新聞記者時代に知事と同僚であったという記者が、知事選挙運動も国会議員時代から電通が取り仕切っていると、話していました。私は、電通という民間企業が地方自治体の仕事を受けているばかりか、選挙運動の指南もしているというのを知ってずいぶん驚いた思い出があります。また、それを聞いたばっかりに、天邪鬼である私は、熊本県PRのお先棒を担ぐのは止めようと思いました。県の狙いとしては、都内の大学新聞の記者たちに県のPR記事を書いてほしかったようですが、私は何も書きませんでした。以来、元知事の言動には信用が置けなくなりました。これも後年わかったことですが、元知事が書いたとされる新党結党宣言は、実は反社会的集団の関連団体の一つ・世界平和教授アカデミーの一員であった大学教授が書いたものでした。自分の言葉ではなく、コピーライターに任せるという広告屋的な軽さにも政治への向き合い方が殿様気分のお遊びでしかないのではないかと思えました。
写真は、次に読む本の表紙です。

無知は始末に悪い

岡本隆司著『曾国藩』が扱う時代は、清朝で太平天国の乱が起きた頃が中心となっています。これは中国における内戦でしたから、日本の歴史教育においての扱いはやはり他人事感があります。本書の中に10年に及ぶ内戦の犠牲者数が、ある推計によれば7000万人以上ということを知り、たいへん驚きました。この規模は、後年の第一次世界大戦や日中戦争を含む第二次世界大戦におけるそれぞれの犠牲者数を大きく上回ります。いかに凄惨をきわめた戦禍であったかが分かります。清朝の官僚は父母を亡くしたときは27ヵ月間服喪し、その間は職務を担うことはしない習わしだったそうですが、この内戦中は本書の主人公である曾もそれが許されず反乱鎮圧を命じられたといいます。文臣エリートであった曾は軍事的な用兵ではあまり能力が高くはありませんでしたが、その文才は秀逸であり、たとえば「不要銭、不怕死(金を求めず命をかける)」というスローガンで多くの人々の動員に成功しています。ちなみに、このスローガンは、後年、同郷の毛沢東も流用しています。いずれも現代日本における報道だけでは知りえないことを知っておくことが、重要です。1980年代に20歳代以上の人で、昨今話題の反社会的なカルト集団について「知らなかった」と発言する人(特に公職に就いている人で)を信用してはならないと思います。本当に無知なら相当世情に疎い人であり、能力的に疑問があります。とぼけて知らないふりをしているなら、後ろめたいことがある悪党ということになります。

曾国藩

岡本隆司著の『曾国藩』(岩波新書、880円+税、2022年)を読んでいるところです。著者の著作には過去いくつか触れた経験がありますが、中国をはじめとする東洋史の学識は広く、いつも新しく知る機会を得ています。今回取り上げられている曾国藩についてもこれまで知らない人物でした。日本の歴史教科書において日清戦争後の下関条約において清国側の全権・李鴻章の名はある程度知られていると思いますが、曾は李の師匠格と評すればイメージが湧くかもしれません。曾が活躍した時代の中国は、対外的にはイギリスによるアヘン流入で苦しめられ、国内的には太平天国の乱という宗教パワーにより統治が危機を迎えたころです。統治者が皇帝から中国共産党へ移り変わった現代においても西欧や宗教に対する疑念は続いているように感じます。その意味では、中国とどう向き合うかを考えるうえで、曾が生きた時代の状況を知ることは大切です。本書の冒頭でも紹介されていますが、江戸時代後期から明治時代初期にかけての日本の知識人にとっては漢学が重要な位置を占めていて、考えようによっては現代日本の中間層よりも中国との付き合い方をわきまえていたかもしれないと思います。

人権感覚が疑われる

昨日、ミャンマーにおいて国軍統制下の裁判所によって死刑判決が下されていた民主派の市民ら4人の死刑が週末に執行されたことが明らかになりました。意に沿わない民間人を軍事法廷で裁くという国際人権法上からも正当性を欠く手続きによる殺人には多くの非難が上がっています。そして、本日は入所者ら45人が殺傷された相模原市の津久井やまゆり園事件から6年になりなりますが、2008年に秋葉原無差別殺傷事件を起こした死刑囚の死刑が午前に執行されたとのことです。4年前には地下鉄サリン事件などの死刑囚が大量に死刑執行されました。日本国内の死刑囚が犯した罪はいずれも赦し難いものであり、その死でもって罪を償えるものではありません。死刑制度が重罪の抑止効果になるとも思えません。死刑囚のような社会の役立たない人間を抹殺してもいいという考えは、やまゆり園事件の殺人犯の考えとどう区別できるのか、説明できる自信はありません。本日のできごとは国内外で法務省がどのような人権感覚でいるかを示したと思います。

 

イーロン・マスクをどう見るか

朝日新聞経済面の「けいざい+」欄で7月21日から23日にかけて3回にわたり「イーロン・マスク 何者か」と題して同氏の人となりを取り上げていました。現在、米電気自動車大手テスラや宇宙ベンチャー企業スペースXの経営者として知られるマスク氏は、世界一の富豪でもあり、ウクライナ侵略に際してはウクライナへドローンを提供するなど、政治的な影響力すらもっています。その動向は常に世界から注目される存在です。南アフリカ生まれの彼は、8歳の時に両親が離婚、父親のもとで暮らしますが、その父親はたいへん暴力的だったといいます。自身をアスペルガー症候群と認めていて、子どものときの支えは読書とコンピュータープログラム開発だったといいます。17歳でカナダへ移住。その後、スタンフォード大学の博士課程へ進みますが、そこは入学2日後に退学し、起業家の道を歩みます。大学時代に大切なテーマだと気づいた、インターネット、持続可能なエネルギー、宇宙にかかわるビジネスへの挑戦を続けています。こうした人物の登場を後押しする教育と経済の環境があったからこそだともいえます。半面、他人にも週40時間現場にいるよう求めるなど、一緒に働きたい人物かというと、まったくそうではありません。ツィッターのような言論空間が一人の人物の差配によって変質する危険性を考えても、同氏による買収はむしろ不成立になって良かったように思います。

エネルギー・メタル・肥料

成田から熊本までの機内で読むために、山下真一著『資源カオスと脱炭素危機』(日経プレミアシリーズ、900円+税、2022年)を読みました。エネルギー・メタル・肥料といった資源を持つ国・企業の動向や最近の投資志向についてコンパクトにまとまっていて読みやすかったです。正味90分かからないぐらいで読了しました。ノルウェーやカナダが産油国として意外と上位にあることを知りましたし、電池に必要な金属が中国で採れること、肥料の3要素のひとつカリウムの産出においてロシアとベラルーシが上位にあることも知りました。特定の国に頼らなくて済む技術開発、そして投資が重要だと思いました。

人間らしさとは何か

海部陽介著の『人間らしさとは何か』(河出新書、900円+税、2022年)を読んでいるところです。現代においても思想を振り返ることができる哲学者の登場はせいぜい2500年前。人類の進化について解明し始められたのは、150~200年足らず前の話です。それだけ人間自身がどういう存在なのか分かりませんでしたし、それぞれの神話で理を片づけていたのが言葉をもってからの人間の歴史ともいえます。1980年代に霊感商法で問題になった宗教団体が再び注目の的になっています。信者であっても信者でなくても救わない宗教にどのような価値があるのか疑問を覚えますが、救いを求めるのが人間の人間たる由縁なのかもしれません。このたびのテロや戦争などを考えるうえでも人類学の知見は必要だと感じました。

読書メモ

『テクノソーシャリズムの世紀』からの読書メモ。
「アラブの春」と「株式会社アテンプト」・・・アラブの春のきっかけは、2010年12月17日に起きた、チュニジアのある露天商の抗議の焼身自殺にあるとされています。その人物の名は、ターリク・アッ=タイイブ・ムハンマド・アル=ブアジジ。バスブーサ(アラビア料理の伝統的なケーキ)というニックネームを持っていました。その1週間後の12月24日が株式会社アテンプトの設立日にあたります。
給付金で生活する人を攻撃する言葉は、残念ながら世界各地にあるようです。こういう言葉が豊富な社会は、もっと大局的に見る目を養う教育が欠けているのかもしれません。
オーストラリア:「Dole Bludger」(失業手当怠惰者)
米国:「Welfare Queen」、「welfare parasire」(寄生虫)、「mooch」(たかり屋)、「leech」(ヒル)、「freeloaders」(居候)、「welfarian」(福祉族)
英国:「lazy scrounger」(怠惰なたかり屋)、「going on Pogey」(手当暮らし)

移民と大学教育

引き続き『テクノソーシャリズムの世紀』を読んでいます。改めて感じるのは、未来を語る前提として過去を知っておかねばならないということです。たとえば移民問題をどう捉えるかですが、歴史的に見て移民を積極的に受け入れた地域ほど経済成長を果たしたのは事実です。米国のリーディング企業の創立者やCEOには多くの移民の人々がいます。米国の前の大統領はしばしば移民を攻撃する発言を行いましたが、米国建国以降に限っても国内人口における外国生まれのシェアは一時期を除いて15%程度のラインを保っています。前大統領自身も先住民族ではないので、移民の子孫であることに変わりはないのですが、歴史に無知な人はこうした偏見に迷い込みがちです。移民の存在は個々の企業レベルでも文化と生産性を向上させます。高等教育においてもグローバル化は国を潤すという結果が出ています。その意味で高等教育機関そのものは産業としても魅力的なのですが、グローバル化に対応できない質の低い大学があるのも事実です。世界有数の資産家であり南アフリカ出身のイーロン・マスク氏は自身の5人の子どもを当初はロサンゼルスの英才教育学校に通わせていましたが、アド・アストラという新しい学校を作り、自分やスペースX職員の子どもたちをそこで学ばせることをしています。そのプライベートスクールには学年がなく、体育・音楽・言語の授業がありません。ヒトの言語はテクノロジーで翻訳が即時にできるので、学ぶべきはマシンの言語というわけです。これには反論があるかもしれませんが、マスク氏が人材に求める能力は、標準的な大学では得られないという考えが根底にあります。実際、アップルやグーグル、テスラ、スペースX、バンク・オブ・アメリカといった企業では、大学卒の要件を採用条件に課していません。大学を卒業しているかどうかではなく、それ以上の高度な能力を有しているかを見て求めているということなんだろうと思います。

今後成長する未来の有力産業

今読んでいる『テクノソーシャリズムの世紀』は、500ページ超の厚い本ですが、語り口が平易なのでスイスイ読めています。テクノソーシャリズムというと、旧満州国で岸信介らが推進したテクノファシズムと近似しているのではと、警戒しましたが、著者は香港在住歴もあり自国である米国だけでなく中国の事情にも精通していて、AIがもたらす国家統制の影と市民社会一体での効率的取り組みはさすがに区別しているようには感じました。
ここでは本書で紹介していた「今後成長する未来の有力産業」を記してみます。①人工知能、②長寿医療とヘルステック、③組み込み型テクノロジー、④小惑星採鉱、⑤気候変動緩和施策、⑥世界インターネット商業プラットホーム、⑦次世代教育、⑧カーボンニュートラルな自動輸送、⑨研究室培養食物・ロボット・垂直農業、⑩メタマテリアルとナノテクノロジー。
上記の中に気候変動がありますが、向こう200年のスパンで確実にいえることとして海面上昇の問題があります。ウォーターフロントで暮らす住民が世界で年に億単位で移住を迫られる危機があります。

部活なしなら何もなし?

写真は次に読む本。きょうは地元中学校との情報交換会に参加しました。自分で考えて自分で行動できる生徒を育てている点は共感しました。たとえば文科省や教育委の指示がないと何もできない大人にならないためにも重要です。訪問先の中学校は大規模校なので部活動が盛んで地域大会で優勝など上位入賞を数多く果たしています。小さな学校だと部がある競技種目も少ないですし、他校と合同チームを組まないと出場すらできないので、当然といえば当然の結果だともいえます。今後、学校から地域クラブへ移行し部活動が学校からなくなれば、いったい部活動が売りの学校はどうなるのか、気になります。

ネット選挙運動の注意点

主権者である国民の政治参加の方法には選挙における投票行動がまず思いつきますが、選挙運動という形もあります。しかし、選挙運動にはその手法と主体者要件にさまざまな制約が公職選挙法で定められており、注意が必要です。2013年の参院選から解禁されたネット選挙運動を一般有権者が行う機会も多いと見受けられますので、ポイントを示してみました。
・ネット選挙運動を行える期間は、公示日から投票日前日まで。今回の参院選では6/22-7/9。
・一般有権者によるHPやブログ、SNS、動画投稿サイトでの情報発信は可。
・一般有権者による電子メールやSMS送信は不可。
・候補者や政党等から届いた電子メールを一般有権者が転送や印刷配布するのは不可。
・一般有権者によるラインやフェイスブックのメッセージ送信は可。
・一般有権者が選挙運動用の有料ネット広告を出すのは不可。
・第88条の選挙事務関係者は、在職中、その関係区域内において選挙運動禁止
※選挙事務関係者:①投票管理者、②開票管理者、③選挙長及び選挙分会長
・不在者投票管理者(選挙事務関係者の一つ)は、不在者投票に関し、その地位利用による選挙運動禁止。
・特定公務員は在職中、選挙運動禁止。
※特定公務員:①中央選挙管理会の委員及び中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、参議院合同選挙区選挙管理委員会の職員並びに選挙管理委員会の委員及び職員、②裁判官、③検察官、④会計検査官、⑤公安委員会の委員、⑥警察官、⑦収税官吏及び徴税の吏員
・公務員等は、その地位利用による選挙運動禁止。
※公務員等:①国若しくは地方公共団体の公務員又は行政執行法人若しくは特定地方独立行政法人の役員若しくは職員、②沖縄振興開発金融公庫の役員又は職員
・教育者は、その地位利用による選挙運動禁止。
※教育者:教育者(学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)に規定する幼保連携型認定こども園の長及び教員をいう。)
・年齢満18年未満の者は、選挙運動禁止。
・選挙権及び被選挙権を有しない者は、選挙運動禁止。

昨夜の地震について

昨夜発生した地震において宇土市の計測震度の発表がありませんでした。そのことについて元松市長がFacebookで投稿していましたので、原文を手直しして紹介します。

宇土市には市役所敷地内に国立研究開発法人防災科学技術研究所(旧:科学技術庁)の震度計が設置されています。
地震を感知した時は自動的に気象庁にデータが送られる仕組みとなっていますが、今回の地震では、気象庁へ宇土市の震度データが届いていないことが確認されています。
震度計本体か通信機器のトラブルと考えられますので、これから通信エラーの原因究明にあたるそうです。

小西一行記

宇土市教育委員会から「うと学研究第43号」として『小西行長基礎資料集―小西一行記―』(税込1000円、2022年)が刊行されたので本日買い求めました。本書は、朝鮮出兵における宇土城主・小西行長の動向を描いた軍記「小西一行記」(本文全10巻、付目録)の翻刻文となっています。底本は、同委員会の所蔵本です。侵略した側から戦争がどう伝えられたのかを振り返って読みたいと思います。
同書を購入した後、市社会福祉協議会の評議員会に出席しました。前年度事業報告・決算報告が議案として上がりました。特筆すべき点は寄付金収入が前々年度決算額・前年度予算額を上回ったことです。自主財源としては住民割で各行政区から寄せられた会費収入があるのですが、寄付金収入総額は会費収入のそれの2倍以上あり、たいへんありがたい結果となりました。寄付金の多くは香典返しとして寄せられたものです。会費収入は大幅に人口が増えない限り増える期待できませんが、寄付金の増収は伸びしろがあります。審議に際して寄付金が増えた要因、寄付金受付にかかる経費支出、寄付単価をアップさせる方策について質問しました。回答としては、順に「寄付件数が増えた(寄付単価は変わらず)」「受付経費の支出はない(収益率100%)」「単価アップ策は考えていない(受付で金額はお気持ちでと結構ですと答えている)」ということでした。香典返し自体は「ご不幸」に基づくものなので、寄付件数が増えることは一概に望ましいとはいえません。しかし、経本がなければ「読経」ができない宗教家に「お布施」を多く渡すよりも、地域住民の福祉向上に貢献している組織へ寄付を多く渡す方が、故人にとっても功徳を積んだことになる気がします。

正しい戦争はない

次に読む本は、藤原帰一著の『「正しい戦争」は本当にあるのか』(講談社+α新書、900円+税、2022年)。三浦なんとかという国際政治学者を自称する人が、デビュー当初、盛んにこの著者の弟子であることを吹聴していましたが、国際政治学者もどきタレントとして一本立ちしたのか、師匠側が風評被害で口止めさせたのか、弟子発言は影を潜めたように思います。さて、読む前に結論付けるのは野暮かと思いますが、「正しい戦争」はないと考えています。戦争を起こすこと自体が違法ですし、起こす側は自国民にすら嘘をついているものです。たとえ一時的に占領したとしても憎しみが残る地域を統治するのは至難の業で、結局何のための戦争だったのかということにしかなりません。たとえば、日清戦争で出た日本側の戦死傷者数よりも割譲で得た台湾統治の過程で出た日本側の死傷者数が多いことを、多くの日本国民は知らないのではないでしょうか。

茅葺を試飲

熊本屋台村へ寄ってみました。球磨焼酎の試飲ができるコーナーがあり、さっそく試してみました。選んだのは木下醸造所の「茅葺」。同蔵元の「文蔵」は親しんだことがありましたが、その「文蔵」を長期貯蔵しただけあってなかなかの美味でした。

まもなく参議院選挙

第26回参議院議員通常選挙は、6月22日公示・7月10日投開票の日程となることが本日決まりました。早くもポスター掲示板の設置が始まりました。前回の投票率は全国で48.80%となっています。年代別では60歳代が最も高く6割超、最も低いのは20歳代で3割と、60歳代の半分です。票数でいえば、さらにその半分だとしたらみすみす権利を放棄しているようなものです。なんとも気の毒なことです。

ビジネスと人権

就職活動を行っている人に意識してもらいたいのが、「ビジネスと人権」という視点です。とりわけ人材ビジネスは労働者自体が商品という側面がありますから、密接な問題です。行政書士の中には技能実習の監理団体や特定技能の登録支援機関に関係している方もいるでしょうから、そこでも必要な視点です。実際、海外の人材送り出し機関の中には悪徳な業者もいて来日を希望する人から高額な手数料を取って借金漬けにしてから送り出すところもあると聞きます。もちろんこれは違法なことですが、それを黙認して付き合っている日本側の機関があるとすれば、人権を蹂躙する「運び屋」稼業として同罪です。私自身は、技能実習にしろ特定技能にしろ、こうした懸念が付きまとうので業務としてかかわるのは距離を置いています。
写真は上海(1997年9月撮影)。

誤解を受けない文章作成力は大切

先週金曜日に4回目のワクチン接種についての案内文書が地元市から届きました。一読して送付先対象を誤った文書が送られてきたのではないかと思いました。その後、市のホームページで関連情報と照らし合わせると、対象条件の記載を一部省いてあったために、送付先を誤ったものではないにしても、きわめて誤解されやすい記載内容だったと判断することができました。市町村発の文書の文例が国や都道府県から回付されてきた場合は、全国的あるいは全県的な話題になりますが、市町村独自で起案した文書だと限られた職員の文章作成能力の程度が如実に表れるのではと思います。そういえば、1回目の接種の時にある政令市の案内で予約受付開始日の記載がなく、その開始日前に文書が届いて大混乱した出来事を思い出しました。
写真はベルリンのブランデンブルク門前の露店(1992年12月撮影)。