愚行権を考える

今読んでいる『不寛容論』のなかに愚行権という用語が出てきます。他人に迷惑をかけない酩酊といった個人の愚行については寛容であるべきだという考えが独立前の米国でありました。ただし、よほど他人との接触を断って孤立して暮らさない限り愚行の実現が難しいのも事実です。ましてや国家に愚行権はありません。人権侵害という愚行への批判を内政干渉というのは間違っていると思います。一方、宗教文化によって許されるものと許されないものというのもあります。多宗教文化の共同体において法律を定めるというのはたいへん難しいことです。いわば宗教文化の違いによる愚行観の違いもあると思います。違いがあるからこそ寛容・不寛容の問題が生じてくるわけで、本書は米国のみならずどの地域の問題を考えるうえでも避けられない視点だと思います。

一時支援金の事業確認機関として登録

中小企業庁が創設した一時支援金の受給を希望する事業者は、事業確認機関による事業の確認を事前に受けなければ、申請ができないこととなっています。対面もしくはテレビ会議システムを利用してその確認は行われます。当事務所もこの事業確認機関として登録されています。

高校選抜もネット配信予定

昨日の投稿でも触れましたが、インカレ1部のウエイトリフティング競技のネット配信を見ていました。観客の立場としては、選手の映像だけでなく、競技の進行状況や順位争いについて把握するためにもスコアボードの映像を頻繁に入れてほしいと思いました。競技運営の立場からは、審判の判定の様子などもっと引いた映像を望みたいと思いました。今月下旬には全国高校選抜もネット配信されるとのことです。会場内観戦は出場選手の保護者に限定されるということなので、ありがたいと思います。観客がほとんどないということは、運営にかかわる要員も少なくて済むわけで、経費の削減とネットを通じた観戦機会の広がりという意味ではかえっていいような気がします。

石牟礼展から

作家・石牟礼道子さんの足跡を辿る展示が、くまもと歴史・文学館で開かれていて、先日近くに用があった際に見てきました。石牟礼作品についてはもちろん評価する人は多いと思いますが、私にとってはかなり苦手な作家です。とてもではないですが、私だったら書き尽くせない表現力をもっていて、それこそ現世を超えたところがあるためです。かつてそれを評して石牟礼巫女説もあったのを記憶しています。石牟礼氏の功績として水俣病被害の実態に衆目を集めたこともありますが、その後の行政や司法との関係でどれほどの力があったかというと、評価はまた別だと思います。とにかくシステム社会で通用する言葉を繰る方ではないので、被害者救済の旗手として何かを求めるのはもともと無理な話だと思います。
今、森本あんり著の『不寛容論』を読んでいるのですが、日本にとって最も関係性の深い国家である米国の歴史についてどれほど知っているかというと、黒船来航以来がほとんどで、せいぜいが独立宣言以後だと思います。英国の植民地時代の入植者たちにどのような思想があったのか、考えたことのある日本国民は少ないと思います。
石牟礼作品では、水俣の漁村民の暮らしを描いていますが、米国建国前の入植者たちの世界と同じで、水俣に暮らす人たちの世界観を初めて言葉にした衝撃を感じます。語弊があるとは思いますが、どの時代、どの地域の民衆にも思想があるということすら、現代人は知らないし、驚きなのかもしれません。

情報ネットワーク力の差

いくらか自慢話になりますが、私が所属する熊本県行政書士会は、他県に比べて情報ネットワーク力が強いようです。会からの情報伝達が速く会員からのレスポンスも速いようです。対外的なPRにおいてもフォローワーが多く、公開イベントの集客に役立っているようです。それだけネットを活用する人が増えているわけで、有益な情報に対応した動きはすぐに現れるということだろうと思います。
こうしたネット社会の進展は、政治に対する市民の行動変容にも現れています。たとえば抑圧的な政治権力に対しては、反対の声を上げる市民の存在を無視できず、国内外にそのことが容易に知れ渡ります。

不寛容論

次に読む本は『不寛容論』。これは米国内の政治思想史の著作となりますが、これを理解することは米国の対外関係の方向を知ることにも役立つかもしれません。この本の前に『中国vsアメリカ』を読んだこともあり、たとえ国外のことであっても人権あるいは法の支配を無視する行動に対してそれらを尊重する政治思想を共有する側がどう行動したらいいのかを考える機会になるかもしれません。

資金調達セミナーを受けてみて

所属士業者向けの資金調達・銀行取引アドバイスに関するオンラインセミナーに参加してみました。考えてみると、他人様のそれ(資金調達・銀行取引)のお手伝いをその経験のない士業者が行うのは、非常にハードルが高いと思います。私自身も企業勤務時代に事業計画書作成に携わった経験がありますし、自社創業後、なんどか日本公庫から融資を受けた経験があります。ストレスという点では、やはり経営者として返済する期間は、一社員としての期間の比ではありません。士業者としてもし金融支援で携わるなら自身にその経験がないと怖いと思います。あと今は金融機関によってはそちらの将来性自体が不透明でその不安もあります。

どんなメッセージを出せるか

橋爪大三郎著『中国vsアメリカ』(河出新書、900円+税、2020年)を読み終えました。中国という相手の考えを見越して適切なメッセージを出すことが、重要なことだと改めて思いました。日本と中国との関係においては、アジア・太平洋戦争の歴史がありますから、そのことを踏まえて国際社会のルールに沿った行動を求めていかねばならないですし、それがいかに双方に実益があるかを主張しなければなりません。確かに事象によっては抗議も必要ですが、相手が聞く耳をもたないとか、双方のナショナリズムに火をつけるだけでは効果がありません。支配層と被支配層の構造、民族や宗教の状況もよく承知してアプローチをして引き寄せることも必要です。もちろん、日本側の内部の問題や対米関係もあります。いろいろ頭を働かせないとまずいことになります。

一時支援金の申請が近く始まります

中小機構による一時支援金の申請が近く始まります。申請要件を満たしている事業者かどうかの確認が必要です。2019年と2020年の確定申告も済ませておく必要があります。支援の対象業種が飲食や旅行・イベント中心で、それ以外の事業への目配りが足りない気はしています。

受け身でいいのか

表紙写真の本はまだ読んでいる途中ですが、中国と米国の国交正常化以降の史実は同時代人として経験しているだけに、特に新しく感じる見方はありませんでした。要は相手をよく知ること、それと受け身だけではなくてどうこの2つの大国に働きかけるべきかということが問われています。人権と核兵器については、日本も含めて当事者の問題としてあるので、もっと多角的に動く役割があると思います。

不正署名事件の覚書

愛知県知事へのリコール署名において大量の署名偽造が発覚したのを機会に、署名と署名活動の正否についてまとめてみます。署名偽造罪は3年以下の懲役か禁錮または50万円以下の罰金となります。
1.氏名の代筆・・・×
2.住所、生年月日の代筆・・・○
3.家族による同じ印鑑押印・・・○
4.本人ではない拇印・・・×
5.県内の選挙人名簿登録者が県外で応じた署名活動・・・○
6.請求代表者からの受任者である業者やアルバイトによる受任者が住む市町村内の選挙人に対する署名集め・・・○
7.請求代表者や受任者でない人による署名集め・・・×
今回の事件ではいくつもの不正があったと報道されています。まず他人が氏名を代筆したり拇印を押したりした形跡があることが確認されています。すでに死亡した人の不正署名も含まれているとのことです。請求代表者は県内に住む選挙人に対してだけ、受任者は自身が住む市町村内の選挙人に対してだけ、署名集めができますが、その要件を満たさない形での活動が行われています。
選挙においては、投票所内で投票管理者の管理の下で、投票事務従事者2名が立会い代筆(代理投票)が例外的に行われますが、極めて厳重な取り扱いがなされます。署名偽造は本人の意思の偽造ですから、こうした行為を何十万人分規模で行った悪質さは厳しく問うべきです。

ワクチン外交はありなのか

新型コロナのワクチン供給のあり方が現在の国際関係を表しています。先進国と発展途上国との格差がそのまま供給量に反映しています。供給国の外交戦略をどう見るか、日本の選択はどうあるべきなのか。いろいろ考えたいと思います。今度読む表紙写真の本の著者は、けっして米中の専門家ではありません。しかし、著者が整理した課題に沿って考えてみるのは意義がありそうです。

言葉は残る

柳美里さんの著書を初めて読みました。氏名の読みが「ゆうみり」さんということも初めて知りました。2002年4月から朝日新聞で長編小説『8月の果て』の連載をしていたことも記憶にないですし、その前に1994年9月号の『新潮』に掲載された『石に泳ぐ魚』がもとで出版差し止め請求の訴訟となったことも覚えがありません。不思議なほどに接点のない作家の一人でした。
今回読んだ作品も小説ではなく、著者の人生史となっていて、辿ってきた生活環境があまりにも違い過ぎるので、なんで記されたような言動をとるのかと、付いていけない部分もありました。
そんななかで、著者とかかわりのあった人物の言動においては、覚えておきたい部分がありました。一人は、著者がミッション系中高一貫校に在学していた中学3年の卒業間際のとき、素行不良を理由に高校への進学が認められそうにないところを止めた化学教師がいました。長くなりますが、著者が当時、担任教師から聞いた話を引用します。「結論から言うと、なんとか高校に進学できることになりました。今日の職員会議では、柳さんには高校でどこか他に転校してもらいましょうっていう先生方が多かったんだけど、木田先生が抗議をされたの。『聖書にはある人に100匹の羊があり、その中の1匹が迷い出たとすれば、99匹を山に残しておいて、その迷い出ている羊を捜しに出掛けないであろうか。もしそれを見つけたなら、よく聞きなさい、迷わないでいる99匹のためよりも、むしろその1匹のために喜ぶであろう。そのように、これらの小さい者のひとりが滅びることは、天にいますあなたがたの父の御心ではないとあります。聖書の教えを生徒たちに伝えるミッションスクールが、群れからはずれて苦しんでいる柳さんを退学にするのはおかしい』と温和な木田先生が珍しく強い口調でおっしゃって、それで職員会議の流れが変わったのよ」。
しかし、著者が高校1年の1学期に家出をして警察に補導され停学処分を受けます。このときも前述の木田先生が退学に反対しますが、もう誰も味方をする教師はおらず、校長室で退学の手続きをするよう告げられます。その翌日、著者が父親と校長を訪ねたとき、カーネル・サンダース人形そっくりの校長は、次のように言ったそうです。「お父様のお気持ちは良く解りますがね、娘さんは他の生徒に毒をばらまいているんですよ。段ボールの中に腐った林檎がひとつあると、他のなんでもない林檎まで腐り始めます。だから、腐った林檎は取り除かなければならないんです」。
3.5%の力をもつ化学教師と実は腐った林檎は校長かもしれないというところが、実に印象深いエピソードでした。

3.5%の力という希望

『人新世の資本論』の著者・斎藤幸平氏が以下のことを最近語っていました。「ハーバード大学のエリカ・チェノウェスという研究者が、ガンディーにも言及しながら、3.5%の人々が非暴力的な手法で、本気で動き出せば、システムを変えられるということを実証的に示しています。現代のグレタのアクションは、3.5%の運動を呼び起こしつつあるのではないでしょうか。」。少し希望が持てる研究の情報といえます。
昨日も総務省幹部の接待問題が国会で取り上げられていました。首相の長男が勤める衛星放送事業者から会食の案内だったので、誘いを断れなかった官僚側を気の毒だとする向きがありますが、私はそうは思いません。公正な行政を担うべき公務員が一部の利害関係者からの接待に応じるなど、その根性の劣化ぶりはみっともないとしかいいようがありません。相手方の事業者が利害関係者である認識はなかったのかと問われて、官僚側は知らなかったと答えていて、それが事実ならそんなことも知らなくて務まる仕事のレベルは何だと思いました。また、音声データの公表があるまで、会食時の話で衛星放送などの話題は出なかったとか、記憶にないとか答えていましたが、これも最近では昨年12月のことですから、すぐ話したことを忘れるぐらいの頭脳でこれまた仕事ができるのかと思わされました。
この問題の発端となったのは、おそらくは省内からのリークだと思います。幹部職員が公務員倫理に反することを繰り返し部署を通じて行っていたわけですから、当然まともな公務員の耳にも入るだろうと思います。どんな組織にでも3.5%ぐらいは声を上げる人はいるのではないでしょうか。こうした形であれ不公正なものを正していければと思います。

行政書士制度70周年

本日2月22日は1951年の行政書士法施行にちなんで行政書士記念日となっています。今年は制度70周年にあたります。私自身が行政書士登録したのはこの10年近くにしかなりませんが、主権者である国民が行政と向き合う際の支援者でありたいと願っています。

https://www.gyosei.or.jp/news/info/ni-20201201.html

避難行動要支援者名簿について

災害対策基本法の規定により、市町村によって避難行動要支援者名簿の作成、名簿情報の避難支援等関係者への提供等が求められています。この規定の施行は2014年4月からで、消防庁の調査によると、熊本県下の全市町村において2019年6月1日現在、名簿の作成等は行われています。ただし、これらの名簿の更新(追加・変更・削除)が重要で、これはほとんどの市町村で民生委員が行っているようです。登録にあたって要支援者の要件は限定されていません。単身世帯でなくとも登録できます。高齢者や障碍者でなくとも登録できます。普段元気に暮らしていてもまったく身寄りがない人こそ災害時の安否確認は困難ですから、そうした場合でも本人の希望があれば、登録可能です。

明日は熊本県行政書士会の市民公開講座

明日、私の所属団体の熊本県行政書士会主催による、行政書士制度70周年記念の市民公開講座が、下記の通り開かれます。参加無料・予約不要です。

日程:令和3年2月20日(土)
時間:13:00~受付開始 開会13:30
内容
第一部 【遺言のすすめ】講師:橋本修明公証人
第二部 【自分の人生をもっと楽しむライフデザイン】講師:村上美香氏
終了後 行政書士による無料相談会
会場:熊本城ホール内シビックホール
*コロナ対策に万全を期して開催されます。

不正署名は住民への冒涜行為

愛知県知事の解職請求にかかわる署名の大半が組織的不正だったことは、同県民の意思を偽造する重大な犯罪行為であり、看過することはできません。そうした不正にかかわった連中は、住民に対する冒涜行為であることを理解できてなかったわけで、政治を語る資格以前の知的水準しかないのではと思わされました。
ある目的を達するためには、その過程も正当でなければなりません。五輪組織委員会の後任会長選びもしかり、新型コロナ対策のアプリ開発もしかりです。これが後任にふさわしい資質・過去の言動の検証や開発費用や手法が適正か、批判に耐えうるものなのか、判断できる人材で進めてほしいものですが、アスリートにしても官僚にしても大丈夫なのかと思わされる出来事が多いように感じます。